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緑色岩 りょくしょくがんgrunstein, greenstone

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岩石学辞典の解説

緑色岩

非常に古くから特にドイツで使用された語で,外見が暗緑色のすべての岩石の総称であったらしい.この中には輝緑岩,ドレライト,閃緑岩,ポーフィライト緑色凝灰岩緑色片岩などの定義の難しい岩石類が含まれていたが,玄武岩や斑糲(はんれい)岩はすでにそれぞれ独立した名称が与えられていたために,緑色岩(grunstein)から除かれていたとも想像される.その後,一般の岩石が次第に世の中の関心を得るようになるにつれて,緑色岩も注目されるようになり,ウェルナー,およびハイディンガーは角閃石,緑泥石,斜長石からなるものと定義した[Werner : 1787, Haidinger : 1787].ローズは輝石,緑泥石,斜長石(オリゴクレースまたはラブラドライト)の割合で多数に分類した[Rose : 1835].さらに,コッタは,これを輝緑岩(オリゴクレースまたはアンデシンハイパーシン,緑泥石),斑糲岩(ラブラドライト,ダイアレージ),閃緑岩(酸性斜長石,角閃石)の三つに分類した[Cotta : 1862].またリヒトホーフェンは緑色岩粗面岩(grunsteintrachyt)を独立させて変朽安山岩(propylite)と名付けた[Richthofen : 1860].その後,変朽安山岩の研究は発展して,鉱床の成因と関係して人々に関心を持たれるようになった.このように緑色岩は次第に細別されて,その中から多くの岩石が分離独立して,岩石名としての存在価値がなくなってしまったため,当時すでにオルポートは岩石名から削除することを提案した[Allport : 1874].現在は岩石名としてはほとんど使用されていない.この中で緑色片岩(greenschist)は現在では岩石学的な内容がはっきりしており,変成相としても用いられている.また緑色凝灰岩(greentuff)は岩石としての意味よりも層位学的な意味で用いられている.

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

りょくしょくがん【緑色岩 green rock】

変質または変成した塩基性火山岩深成岩類の総称。変玄武岩類,スピライト,緑色片岩,角セン岩,変斑レイ岩などが含まれる。蛇紋岩を含めることもある。もとの岩石は,玄武岩,ハイアロクラスタイト粗粒玄武岩,斑レイ岩などで,これらの岩石は,変質・変成作用を受けると,緑泥石,角セン石,蛇紋石など緑色の鉱物が多量に形成され,岩石は緑色になる。もともと海洋底で噴出した玄武岩や,海洋性地殻を構成していた塩基性岩が,構造運動によって大陸地域に組み込まれたり,サブダクション帯で変成作用を受けてできたものである。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

緑色岩
りょくしょくがん
greenstone

玄武岩や玄武岩質火砕岩が、比較的低温の変成作用を受けたもの。多くの場合、海底に噴出した溶岩に由来し、しばしば枕(まくら)状溶岩の形態を示す。変成作用の結果、緑泥石、緑簾(りょくれん)石、パンペリー石、アクチノ閃(せん)石など、緑色の鉱物が生成するため、岩石の色調は濃緑色ないし淡緑色になっている。しかし、再結晶作用は不完全で、原岩の組織や鉱物が残存していることが多く、また片理などの発達も弱い。一方、変成作用に伴い、化学組成はいくらか変化し、原岩に比べて、水H2OやナトリウムNa2Oに富むことが多い。そして、長石はほとんどつねに曹長(そうちょう)石になっている。このような岩石はスピライトとよばれることもある。西南日本内帯や秩父(ちちぶ)帯の中生層に伴って各地に産するが、それは、地層の堆積(たいせき)時にその場に噴出あるいは貫入したものではなく、外来の岩塊として地層中に取り込まれたものと思われる。[橋本光男]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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