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岩脈 がんみゃく dike

翻訳|dike

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

岩脈
がんみゃく
dike

ダイクともいう。火成岩の産状の一形態。地殻の裂け目を満たした板状の貫入岩体で,周囲の岩石の構造を切って,多くの場合鉛直に近い産状を呈する。厚さは数 cmから 100m,長さは数mから数 kmにまで及ぶ。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉の解説

がん‐みゃく【岩脈】

地層や岩石中に、垂直に近い角度で貫入してできた板状の火成岩体

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百科事典マイペディアの解説

岩脈【がんみゃく】

垂直に近い板状の貫入岩体。環状,円錐形のものもあり,1枚でなく,平行岩脈群放射状岩脈群をなすものもある。

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岩石学辞典の解説

岩脈

周囲の岩石の層理などの構造に関係なく,垂直に近い傾斜で不整合的に貫入した板状またはシート状の貫入岩体.岩脈の厚さは長さに対して薄い.dykeという語は,スコットランドで石壁または堀割のことをいう古い名称である.地質学では18世紀に断層および割れ目火成岩質物質で埋められたものや埋められないものに最初に使用された[Playfair : 1803, Arkell & Tomkeieff : 1953].火成岩で成因的に深部に位置する岩石と噴出岩の中間にある岩石群をいう.この語は,脈岩,シル,小さなラコリスなど小さな貫入岩体の形で産出する岩石を含んでいる[Rosenbusch : 1887].
脈岩には小規模,局所的で変化の著しいものがあり,取扱いが難しい.脈岩は火成岩の中にあるもの,堆積岩を貫くものなど様々な産状を示し,大きさは千差万別である.一般に板状あるいはレンズ状であり,あまり続かず,岩体を掘ると消失してしまうものである.その成因についてはよく分からないが,火成岩の中に含まれて産出するものには周りの母岩からの分泌作用(分結作用,segregation)によると考えられるものもある.一般に花崗岩質の組成をもつものはこの範疇に属するとされているが,必ずしも全部がそうであるかどうかは分からない.花崗岩の中の脈岩には分泌による成因のものが多いが,形成温度が低いために,それぞれの脈岩あるいは単一脈岩自身の内部でも変化が著しく,また本来の岩石には入れなかった化学成分が局所的に濃集していることがある.
脈岩の名前は火成岩に準じて付けられるが,相当する火成岩がないものがあり,これらは色調により一括して優白岩(leucocrate),優黒岩(melanocrate)などとよばれている.相当する火成岩がある場合に,構成鉱物の粒度が細かいものはmicro,粗いものにはpegmatiteなどの形容語を付けることが多い.日本語の岩脈は産状を主にした場合,脈岩は岩石そのものを主にした場合に用いられることが多い.

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世界大百科事典 第2版の解説

がんみゃく【岩脈 dyke】

垂直に近い板状貫入岩体。直立していないものは岩床という。岩脈は通常,幅1~数十m,長さ数百m以下のものが多いが,ときに数百kmにわたって連続しているものがある。岩脈には両壁に垂直な板状節理や,両壁に接し急冷周縁相が発達している。いろんな種類の火成岩が岩脈をつくる。とくに風化につよい岩脈では,岩脈部が小高い連続丘となってつづくことがある。岩脈はその貫入状態によって次に示すいくつかの種類に分けられている。

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大辞林 第三版の解説

がんみゃく【岩脈】

貫入岩体の一。既存岩石や地層の割れ目にほぼ垂直に貫入して固結した板状の岩体。多くはマグマが入り込んだもの。砕屑岩の岩脈もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

岩脈
がんみゃく
dikedyke

板状の火成岩体で、その周囲にある地層の層理面や変成岩の面構造に斜交して貫入しているもの。ダイクともいう。一般的に急傾斜から垂直のものをさすことが多い。周囲の地層に層理面や片理面などの面構造が見られなかったり、面構造をもたない花崗岩(かこうがん)などに貫入したものも岩脈とよばれる。岩脈の幅は1~数十メートル、長さ数百メートル以下のものが多いが、幅数キロメートル、長さ100キロメートルも続く例もある。岩脈の英語であるdike、dykeは、本来は石塀・土塀という意味である。これは、幅2~3メートルでほぼ垂直な岩脈がある場合、周囲の堆積(たいせき)岩よりも岩脈のほうが侵食に対して強いため石塀のような形で侵食されずに残っていることがあり、これが地質用語に転用されたことによる。和歌山県串本(くしもと)町の橋杭岩(はしぐいいわ)は、石英斑岩(せきえいはんがん)のほぼ垂直な岩脈が熊野層群の泥岩に貫入し、泥岩よりも侵食に対して強いために、橋の杭が直線状に連なったように残ったものである。
 岩脈は、周囲の岩石にできた割れ目を押し広げてマグマが貫入し、冷却・固結して形成された火成岩である。そのため、岩脈の両壁は平行であることが多いが、先端部ではくさび状に先細りになっていたり、二つに枝分かれしていることがある。また、岩脈の先端が地上に噴出した溶岩に移行することがある。板状の岩脈の周縁部は、堆積岩に接し急激に冷却されるため、結晶が成長できずにガラス質であったり、岩脈中央部に比べて細粒であったりする。この細粒な周縁部は急冷周縁相とよばれる。また、岩脈内には、境界に対して垂直に延びた柱状節理が形成されることが多い。厚い岩脈の場合には、周囲の岩石の狭い部分に熱変成作用を及ぼすことがある。異なった成分をもつマグマが連続して貫入することによってできたものが複合岩脈composite dikeである。一方、同じ成分をもつマグマが冷却時間をおいて複数回にわたって貫入したものが重複岩脈multiple dikeである。
 マグマの貫入した割れ目の形態に応じて、平行岩脈群、放射状岩脈群、環状岩脈などに分類される。岩脈は火成岩体のため、火成岩岩石学の分野で扱われることが多いが、マグマは割れ目に貫入するため、割れ目(破断)を扱う構造地質学の研究対象でもある。岩脈が形成されるためには、既存の割れ目があるか、あるいは新たに割れ目が形成され、その割れ目を押し広げるほどにマグマの圧力が高まることが必要になる。火山を中心にして放射状岩脈が形成されるのは、マグマが高い圧力で上昇してくるため、放射状の割れ目が形成され、そこにマグマが貫入するためである。広い範囲に多くの岩脈が形成されている場合、岩脈形成時の広域応力場を求めることができる。これは、板状の岩脈に垂直な方向が最小主応力軸、岩脈に平行な面内に最大・中間主応力軸が存在するため、垂直に近い岩脈の走向を測定すると、その方向が最大水平圧縮主応力軸として求められる。この手法は岩脈法とよばれ、岩脈形成時の広域応力場の推定に用いられている。
 マグマが貫入するのではなく、地震動で液状化した砂・泥などが周囲の堆積層などに貫入することがあり、これらは砕屑(さいせつ)岩脈あるいは堆積岩脈とよばれる。[村田明広]

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