ケイ藻軟泥(読み)けいそうなんでい(その他表記)diatom ooze

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケイ藻軟泥」の意味・わかりやすい解説

ケイ藻軟泥
けいそうなんでい
diatom ooze

深海堆積物である軟泥一種で,非晶質ケイ酸から成るケイ藻の遺骸を主とし,これに放散虫,海綿骨片などのケイ質の殻を少量含む。石灰質物質に乏しく,また水圧炭酸カルシウムが溶解するような深海底に多く堆積している。表層水水温が低く,浮遊性生物としてのケイ藻の生産量が高い高緯度地方,特に北太平洋および南極周辺に多い。

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世界大百科事典(旧版)内のケイ藻軟泥の言及

【ケイ質軟泥(珪質軟泥)】より

…これらの生物の中で海底堆積物中に最も多量に含まれ,地理的に広く分布するのはケイ藻と放散虫である。それぞれの殻の重量が堆積物の重量の30%以上を占める場合,それぞれケイ藻軟泥,放散虫軟泥と呼び,両者を一括してケイ質軟泥と呼ぶ。これらの生物が堆積物中に含まれる割合はこれらの生物が表層海水中に生産される割合,その死殻が海底に沈降するまでに溶解する割合と陸源堆積物の堆積速度によってきまる。…

※「ケイ藻軟泥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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