ケリュグマ(その他表記)Kērygma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケリュグマ」の意味・わかりやすい解説

ケリュグマ
Kērygma

ギリシア語で宣教の意。動詞形は kēryssō (宣教する) で,新約聖書においては evangelion (福音) を目的語とする場合が多い。名詞kērygmaは新約中には少い語であるが,近年,福音の宣教がその最も重要な役割一つであった原始教会事情にかんがみて,新約聖書より知られる原始教会の基本的宣教内容をさす術語となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のケリュグマの言及

【原始キリスト教】より

… 原始教会の信仰内容は,パウロの手紙や福音書に前提されている諸伝承から,次の二つに大別できる。(1)ケリュグマ伝承。これは,主としてパウロの手紙に前提され,〈神がイエスを死人の中からよみがえらせた〉〈イエスは主である〉という信仰告白(《ローマ人への手紙》10:9)に基づき,キリストの福音を宣教(ギリシア語で〈ケリュグマkērygma〉)する目的で形成された伝承で,これには,(a)キリストの死を人間の罪のゆるしとみなし,その死と復活を旧約聖書における預言の成就として解釈するユダヤ型の伝承(《コリント人への第1の手紙》15:3~4)と,(b)キリストの死を,神とともにあった〈神の子〉の,神に対する従順のきわみとみなし,それゆえにキリストは神により〈主〉として天に挙げられたというヘレニズム型の伝承(《ピリピ人への手紙》2:6~11)に分けられる。…

※「ケリュグマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android