六訂版 家庭医学大全科 「ケーラー病」の解説
ケーラー病
ケーラーびょう
Köhler disease
(子どもの病気)
どんな病気か
繰り返し圧迫力がかかることによって
症状の現れ方
①発病の経緯
明らかな外傷歴がないことが多いですが、繰り返し負荷がかかったことを示唆する経緯が認められることもあります。急性発症はまれで、慢性に経過することが多い傾向にあります。
②年齢・性別・左右差
幼児・小児期にみられ、とくに4~7歳に多い病気です。男性は女性より4~6倍ほど多く、両側例が約3分の1にみられますが、症状には左右差があることも多いです。
③症状
検査と診断
単純X線で足舟状骨に変化がみられます。治癒が進むと次第に元にもどってきますが、X線所見が正常化するには1~3年を要します。X線上の変化のなかでは、厚みが減って扁平化していることが診断上重要です。リウマチ性疾患、
治療の方法
強い症状は比較的短期間に消えますが、症状が継続する期間は保存的治療を行います。完全に治癒するまでに長期間かかりますが、一般に予後は良好で、後遺症を残しません。
①軽度の場合
足舟状骨への負荷を軽減する目的で靴敷きを使用します。室内では自由に歩行してさしつかえありません。
②重度の場合
歩行用ギプスで3~6週間安静を保ちます。とくに疼痛が強ければ歩行を禁止します。そのあとは軽度の場合と同様の靴敷きを用います。激しい運動は禁止です。
ケーラー病
ケーラーびょう
Köhler disease
(運動器系の病気(外傷を含む))
どんな病気か
足の甲の内側にある
4~8歳前後の男児に多く発生し、片側の発生が多いのですが、時期をずらして左右の両側に発生することもあります。
症状の現れ方
足部に痛みを生じ、歩行が困難になります。X線像では、舟状骨に骨の透亮像(黒く抜けて写る像)、硬化(白く硬くなった)像、扁平化(丸みがなくなり平らになる変化)を認めます。
治療の方法
他の骨端症と同様、最終的には修復が進んで変形は改善し、問題を生じることはほとんどありません。痛みが強い時期には、ギプスをつけたり松葉杖歩行をさせるなどの対症療法が行われます。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報