コミタテンセス(その他表記)comitatenses

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コミタテンセス」の意味・わかりやすい解説

コミタテンセス
comitatenses

古代ローマの野戦軍。歴代の皇帝は小規模な機動性のある野戦軍を擁し,国境に配置していたが,コンスタンチヌス1世 (大帝)リミタネイ (国境防衛軍) からの精鋭部隊の移管およびコミタツス (皇帝護衛隊) を編制して野戦軍を増強し,近衛軍を解散して軍制の改革を行なった。その結果,野戦軍は,マギステル・ミリツム (騎兵司令官,歩兵司令官) 職によって指揮され,特権的な地位が与えられることになった。従来の近衛長官,道長官,属州総督は軍事権を失い,ディオクレチアヌス帝が着手していた文武官職分離が完成した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 大帝

世界大百科事典(旧版)内のコミタテンセスの言及

【ローマ】より

…そしてこの時代には文官経歴と武官経歴が完全に分離された。軍隊は国境を守る国境防衛軍(リミタネイlimitanei)と,皇帝に直属し危地に急行する騎兵機動軍(コミタテンセスcomitatenses)に分かれた。 こうして肥大化した官僚群と拡大した軍団を保持するために,国家財政はほとんど破綻にした。…

※「コミタテンセス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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