コレステリック液晶(読み)コレステリックエキショウ

化学辞典 第2版 「コレステリック液晶」の解説

コレステリック液晶
コレステリックエキショウ
cholesteric liquid crystal

ネマチック液晶のように,一つの面内で分子は一定の方向に配向しているが,隣接する面内では分子配向軸にねじれがあり,全体として面の垂直軸のまわりに配向方向がらせん構造をとっている.オーストリアの植物学者F. Reinitzerによって最初に発見された液晶である,コレステロール安息香酸エチルがこの型である.当初はコレステロールの誘導体でのみ観察されたため,コレステリック液晶とよばれた.これは光学活性な平板状分子であるが,棒状でも見られる.ネマチック液晶を形成する分子が不斉炭素原子をもつと分子配列にねじれが加わり,全体としてらせん構造をとる.らせんピッチが可視光の波長と同程度のため,コレステリック液晶の薄層は選択反射による干渉を示す.らせんピッチは温度によって変化するため,その色彩も変化する.このため温度センサーに利用できる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

関連語 炭素原子

関連語をあわせて調べる

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む