コンプトン波長(読み)コンプトンハチョウ

デジタル大辞泉 「コンプトン波長」の意味・読み・例文・類語

コンプトン‐はちょう〔‐ハチヤウ〕【コンプトン波長】

質量mの粒子に対して定義される波長。波長λはプランク定数h、光速度cを用いて、λ=h/mcと表される。コンプトン散乱によって生じる波長の変化は、およそコンプトン波長程度となる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンプトン波長」の意味・わかりやすい解説

コンプトン波長
コンプトンはちょう
Compton wavelength

質量 m の粒子に対して h/mc をコンプトン波長という ( h はプランク定数,c は真空中の光速度) 。電子の場合には 2.426389×1012m である。これはコンプトン効果に関連した量である。

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世界大百科事典(旧版)内のコンプトン波長の言及

【コンプトン効果】より

…その個々の衝突にエネルギーと運動量の保存則を適用することにより,X線の散乱角φと波長の延び⊿λとの実験値の関係を正しく再現する公式,を得ることができたのである。ここにm0は電子の静止質量で,h/m0c=2.426×10-12mは電子のコンプトン波長と呼ばれる。散乱によってX線の波長が延びる(コンプトン散乱と呼ばれる)(図1)のは,そのときX線が電子をはねとばしてエネルギーhνの一部を失うため振動数νが減るからである。…

※「コンプトン波長」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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