日本大百科全書(ニッポニカ) 「コーキング法」の意味・わかりやすい解説
コーキング法
こーきんぐほう
coking process
重質残油の熱分解法の一つで、主として接触分解の原料などに用いられる軽油留分と電極材料や高炉用などに使われるコークスを製造する方法。ディレードコーキング法とフルードコーキング法に大別される。前者はドラム状の反応器を用いて原料残油を液状で熱分解する方法で、コークスは反応器壁に付着し、軽質分は気体となり反応器外に出ていく。後者は、高温の粒状コークスを熱媒体として反応器中を流動させる点に特徴がある。コークスの生成は熱媒体コークスの上でおこり、製品コークスの一部を加熱し、熱媒体として反応器に戻す方式で連続運転されている。また、これらのほかに生成するコークスを空気とスチームで処理し、一酸化炭素を主体とする低カロリーガスに転化するガス化反応器をフルードコーキング法に付設したフレキシコーキング法がある。
[八嶋建明]