化学辞典 第2版 「ゴーシュ効果」の解説
ゴーシュ効果
ゴーシュコウカ
gauche effect
エタン型の回転異性体では,アンチ形よりもゴーシュ形が不安定であるが,1,2-ジハロゲノエタンではゴーシュ形が安定であることから,S. Wolfはゴーシュ効果と名づけた.このことは,結合軸を形成する原子がどちらもヘテロ原子で,孤立電子対(非結合電子対)をもつヒドラジンのような化合物に広く認められる.これは,ヘテロ原子間の結合を形成する電子対を経由した,両孤立電子対の共鳴効果によると考えられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報