それぞれのポテンシャル極小に相当する異なる分子形態を回転異性という.C-C,C-N,C-Oなどのσ結合を含む分子は,これらの結合線を軸として分子内回転を起こすことができるが,これは完全な自由回転ではなく,ポテンシャル極小の状態がいくつか存在している.たとえば,1,2-ジクロロエタンClCH2-CH2Clにおいては,C-C結合を軸とする分子内回転により,二つのCl原子が反対側にきた状態(アンチ形)と,それから120°回転させた状態(ゴーシュ形)との2種類の回転異性体が存在する.これをニューマン投影式で示すと次のようになる.1,2-ジクロロエタンの気体,液体においては,アンチ形の分子とゴーシュ形の分子が混在しているが,結晶においては,アンチ形の分子のみが存在している.1,1,2,2-テトラブロモエタンBr2CH-CHBr2においては,アンチ形とゴーシュ形が別々の結晶として得られている.分子内に回転できるC-C,C-N,C-Oなどの結合が多く存在すれば,それに従って考えられる回転異性体の数もきわめて多くなる.[別用語参照]立体配座
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…この種の異性を配座異性という。単結合のまわりの回転によって生じる異性を回転異性ということもある。典型的な配座異性としてはエタンのねじれ形と重なり形,ブタンのアンチ(トランス)形とゴーシュ形,シクロヘキサンのいす形と舟形などがある。…
※「回転異性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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