F.T.ポールグレーブ編纂の有名な英詩選。正式名は The Golden Treasury of English Songs and Lyrics。 1861年刊。愛誦に値する歴代の比較的短い抒情詩,歌謡を集めている。4巻に分れ,それぞれ 16,17,18,19世紀前半と時代別になっているが,各巻内の配列は年代順によらず,主題の展開におけるシンフォニー的効果をねらったと説明されている。ポールグレーブは時の桂冠詩人テニソンのすすめでこの編纂を始めたが,まず A.チャーマーズの『英詩人体系』から選んだ候補作品をふるいにかけ,テニソンの意見を取入れて最終的な選定がなされた。 96年にビクトリア朝の詩を収める『第2集』が刊行されたが不評であった。本巻のほうは数多い詞華集のなかで古典的な地位を占めて今日にいたっている。