サッカーの用語(読み)さっかーのようご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サッカーの用語」の意味・わかりやすい解説

サッカーの用語
さっかーのようご

アウェー・ゴール away goals rule
 ホームとアウェー(敵地)の2戦制の対戦が終わって2試合の合計得点が同点のとき、アウェーでの得点数が多いほうを勝利とする勝利チーム決定方法。

アシスト assist
 得点に結び付くパスを送ること。得点と同様記録される場合もある。

アタッキング・サード attacking third
 フィールドを3分割し、相手のゴールに近い3分の1のエリアのこと。

アディショナルタイム additional time
 選手交代、負傷者の手当てなどで試合中に空費された時間を、前半・後半のそれぞれ最後に追加する制度。以前は「ロスタイム」とよばれた。

アドバンテージ advantage
 反則によるゲームの中断が、反則を犯した側に有利に展開すると判断したとき、主審が処罰せずにゲームをそのまま続行すること。

アンカー anchor
 最終バック・ラインの前に配置された守備的選手。スウィーパーと対照的な位置に配置された選手。

イエローカード yellow card
 反則が「警告caution」に値するものと主審が判断したとき、対象選手あるいはチーム役員に知らせるために使われる黄色のカード。試合中に同じ選手や役員が2回提示されると退場処分になる。

インステップ・キック instep kick
 足の甲の正面を用いてボールをける、もっとも基本的なキックの方法。

インターセプト intercept
 相手のパスをカットしてボールを奪うこと。

エンド end
 ハーフウェー・ラインをはさんでそれぞれのゴールを含むピッチの半面ずつ。試合では、ハーフ・タイム後にエンドを入れ替え、公平を図る。

オウンゴール own goal
 相手陣ではなく、守備側の選手が自陣のゴールにボールを入れてしまった結果生まれる得点。相手チームに1得点が与えられる。

オーバーヘッド・キック overhead kick
 自分の頭越しに後方にけること。

オフサイド offside
 味方がプレーした瞬間に、(1)相手陣にいて、(2)ボールより相手のゴール・ラインに近く、(3)後方から2人目の相手より前にいる攻撃側の選手が、(1)ボールをプレーする、あるいは(2)相手を妨害している場合に反則とされる事象。相手方に間接フリー・キックが与えられる。ただし、(1)ゴール・キック、(2)スロー・イン、(3)コーナー・キックの三つのケースでは、直接ボールを受けるときにはオフサイドの反則とはならない。

カウンターアタック counter attack
 相手ボールを奪ったところから、相手の守備陣形が整う前に相手ゴールに向かう攻撃。

勝ち点 points
 リーグシステムleague systemの大会で結果に応じて与えられる。通常、勝利に3、引き分けに1、敗戦は0。

クリア clear
 ゴールが危機にさらされた際、ボールをキックあるいはパンチングなどして危機を脱すること。

クロス cross
 ボールをもっている地点から逆サイドに送るパス。ゴール前に送ればセンタリングともよばれる。

クロス・バー cross bar
 ゴール・ポスト2本の上に水平に渡された横木。

ゲーム・メーカー
 和製英語。試合でチーム全体をリードする、かなめになる選手。英語ではスキーマーschemerまたはプレー・メーカーplay makerという。

ゴール・ゲッター goal getter
 得点能力の優れた選手。

ゴール・マウス goal mouth
 ゴール前の危険なエリア。昔はゴール・エリアのことを意味した。ゴールやゴール・ポスト、クロス・バーの意味ではない。

ゴール・ライン・テクノロジー goal line technology
 ボールがゴール内のゴール・ラインを完全に越えたかどうかを科学技術を使って瞬時に判定し、主審に伝えるシステム。「GLT」ともよばれる。2012年に正式認可された。

サイド・キック side kick
 足の側面を用いて、小さく横にけるキック。足の外側でけるアウトサイド・キックと、内側でけるインサイド・キックとがある。

サイド・チェンジ side change
 攻撃時にボールを右サイドから左サイド、あるいは左サイドから右サイドへと大きく変える戦術。相手守備の薄いところをねらうために行う。

サポーター supporter
 サッカーの熱烈なファン。代表チーム、クラブチームなど特定のチームを支援していることが多い。

サポート support
 ボールをもっている選手を助ける動き。

シミュレーション simulation
 相手にファウルされたように装い、審判を欺いて有利な判定を得ようという行為。

スウィーパー sweeper
 ゴールキーパーバックスの間に位置してバックスの背後をカバーする選手。

スペース space
 守備側選手がいない地域。生まれてはすぐに消えるスペースをいかにつくり、いかに使うかが、攻撃での重要な戦術となる。

スライディング・タックル sliding tackle
 相手のパスやドリブル中のボールを奪うために身を挺(てい)して行うタックル

スルー・パス through pass
 相手側ディフェンスの間を通すパス。和製英語で、実際は「through ball」「penetrating pass」などという。

セット・プレー set play
 フリー・キックやコーナー・キックのように、プレーが止まった状態から試合を再開させるプレー。

セービング saving
 得点を阻止するため身を挺して相手のシュートを止めること。

センタリング centering
 攻撃側選手がタッチ・ライン近くから、相手ゴール前にボールを送ること。

ゾーン・プレス zone press
 相手にボールが渡った瞬間に、ボールをもった相手選手に複数の選手がプレッシャーをかけてボールを奪い、すばやく攻撃に転ずる戦術。

退場 sent off the field
 主審にレッドカードを示された場合、フィールドだけでなくベンチに残ることも禁止される。

第4の審判員 The fourth official
 主審、副審に事故があった場合に交替する。選手交替やベンチ・コントロールなど、試合の運営に協力する。競技会規定により任命することができる。

ダイレクト・プレー direct play
 時間をかけず、相手ゴールに直接的に向かっていこうというプレー。ボールを止めずにプレーする「ワンタッチ・プレーone touch play」との区別が必要。

トライアングル・パス triangle pass
 三角パスのこと。選手Aがボールをいったん味方のBにパスし、またBからパスを受けることによって、相手側選手を抜くパス。三角形に近い連係のなかでボールを保ちパスをする攻撃法。

トラッピング trapping
 体の一部(足・胸など)を使って、飛んでくるボールを止めて、自分のボールとし、次のプレーに移れるようにすること。

ドリブル dribble
 足でボールを転がしながら運ぶこと。

ドロップ・キック drop kick
 ボールが地上に落ち、はずんだ瞬間にけること。ハーフボレー・キックともいう。

ニア・ポスト near post
 ボールのあるサイドに近い側のゴール・ポスト前の地域。攻撃側がねらうポイントの一つ。「ファースト・ポストfirst post」ともいわれる。

バイシクル・キック bicycle kick
 空中にあるボールをけるときに、最初にけり足と反対の足を振りあげ、その足を振りおろす反動でけり足を振り、頭越しに後方にボールをけるキック。オーバーヘッド・キックの一種。

バイタル・エリア vital area
 得点が生まれる可能性の高い、ゴールに近いエリア。とくにペナルティー・エリア手前正面をさす。

ハット・トリック hat trick
 1試合で、1人の選手が3得点をあげること。クリケットの用語が転用された。

パンチング punching
 ゴール前に飛んできたボールを、ゴールキーパーが手のこぶしを使ってはじき返し、ピンチを脱しようというプレー。

ハンドリング handling
 略してハンド。プレー中に意図的に手や腕を使ってボールに触れることで、反則となる。

PK戦 kicks from the penalty mark
 試合が同点で終わったときの勝利チームを決める方法の一つ。試合中のペナルティー・キックと同じ方法で、両チーム交互に5人ずつキックし、得点の多いほうが勝ちとなる。

ビデオ副審 video assistant referee
 ピッチ上の審判のほかに、競技場外に位置する数人の審判員が試合映像をチェックしながら無線通信による会話を用いてピッチ上の審判員を助けるシステム。「VAR」ともよばれ、2018年に正式認可された。

ヒール・キック heel kick
 かかとでボールをけるキック。

ファー・ポスト far post
 ボールのあるサイドから遠い側のゴール・ポスト前の地域。攻撃側がねらうポイントの一つ。「セカンド・ポストsecond post」ともいわれる。

フィールド field
 サッカーの試合をするグランド。とくにプレーするエリアをピッチpitchとよぶ。なおサッカーのプレーのエリアをコートとよぶのは間違い。コートは「法廷」からきたことばで、狭い四角のエリアのこと。テニス・バレー・バスケットなどはコート、サッカー・ホッケー・ラグビーではフィールドとよぶ。

フェイント feint
 ボールをもった選手がマークする相手を抜き去るために、体やボールを動かして相手をだますプレー。

プレッシャー pressure
 自由にプレーができないように相手の選手に体を寄せたり、間合いをつめてかける圧力。プレッシャーをかけるという。

ヘッディング heading
 サッカー特有の技で、ボールを額に当ててゴールシュートやパスを行うこと。ヘディング。

ポスト・プレー post play
 相手の守備者を背にしながら味方から縦パスを受け、ボールをキープしながら近づいてきた味方にパスするプレー。自らシュートする場合もある。このプレーが入ると攻撃が効果的に展開できる。

ポゼッション possession
 確実にパスをつないで味方チームでボールを保持し続けるプレー。

ボランチ volante
 ポルトガル語でハンドル、梶(かじ)の意味。攻守にわたり、ボールにできるだけ多く関与して、攻守の第一歩を組み立てる選手。ブラジルで使われ、Jリーグ結成後、日本でも使われるようになったことば。

ボレー・キック volley kick
 ボールが地面に落ちないうちにけること。

リベロ libero
 イタリア語で「自由」の意味。基本的にはスウィーパーと同じポジションをとり、マークする特定の選手をもたず、攻撃にも自由に参加する選手。

レッドカード red card
 反則が「退場sending-off」に値する重大なものと主審が判断したときに、対象選手やチーム役員に知らせるために使われる赤いカード。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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