さと

精選版 日本国語大辞典 「さと」の意味・読み・例文・類語

さ‐と

  1. 〘 副詞 〙 いっせいに、また、瞬時にことがおこったり、行動したりするさまを表わす語。物の音、光、色、姿、香などが、耳や目、鼻に、一度にはっきりと感じられるさまを表わす。さっと。
    1. [初出の実例]「之念ぜず、一たびにさと笑ふ声のす」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使)
    2. 「暁に格子・妻戸をおしあけたれば、嵐のさと顔にしみたるこそ、いみじくをかしけれ」(出典:枕草子(10C終)一九八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のさとの言及

【甑島列島】より

…鹿児島県串木野市の西方約45kmの東シナ海に,北東より南西に連なる列島。甑列島とも呼ぶ。北東から上甑島(45km2),中甑島(7km2),下甑島(66km2)の3島とそれらの付属島よりなる。串木野港より定期船の便がある。島名は中甑島北端沖合の沖の串瀬に浮かぶ巨岩が甑の形をしており,島民がこれを甑大明神として尊崇したことによるという。全島山がちでほとんど平地がなく,海岸線は西部および南部では海から切り立った急崖をなし,また他では複雑な凸凹に富んだリアス式海岸となり,風光がよい。…

【組】より

… 村組は一般に組と呼ばれるが,同時に全国各地にさまざまな村組を示す名称が分布している。主要なものを示せば,東北地方のヤシキ(屋敷),北関東のツボ(坪),南関東のニワ(庭),ニワバ(庭場),サト(里),中部地方のコウチ(耕地),近畿地方を中心に広く分布するカイト(垣内,垣外,貝戸,海戸等),中国・四国地方のドイ(土居),ホウジ(榜示),北九州のコガ(空閑),南九州のカド(門),沖縄本島北部のバーリ,同島南部のダカリなどである。これらのうち,東北地方,関東地方あるいは九州に分布する屋敷,坪,庭,門などの名称は,他方では個別の家においてその居住空間やその一部を示すものとして一般的に使用されている語である。…

※「さと」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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