…【山本 智生】。。…
…この第3の細胞は,抗体をつくりすぎることがないよう,さらに自己にとって不利になるような抗体をつくることがないように監視して,ヘルパーT細胞の機能を抑えたり,直接にB細胞の分化を抑えたりして,最終的には免疫反応全体を統御している重要な細胞である。これをサプレッサーT細胞と呼ぶ。自己成分に対して反応する抗体をつくってしまうような自己免疫疾患では,しばしばサプレッサーT細胞が減少して,そのために自己抗体がつくられる場合がある。…
…これらのリンホカインには,リンパ球以外の血球の増殖,分化因子,マクロファージ賦活因子,γ‐インターフェロンなどが含まれている。これとともに,ヘルパーT細胞はB細胞あるいはT細胞自体に作用する増殖因子および分化因子を,サプレッサーT細胞はT,B細胞の増殖を抑制するサプレッサー因子を産生して,免疫応答の調節に当たるほか,サイトトキシックT細胞は移植免疫や腫瘍免疫などの細胞性免疫応答の終局的な役割を演ずる細胞障害因子も産生している。また,上記T細胞サブセットが産生する因子には,それぞれ抗原特異的なものと,抗原非特異的なものとがある。…
※「サプレッサーT細胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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