サラサフジツボ(その他表記)Balanus reticulatus

改訂新版 世界大百科事典 「サラサフジツボ」の意味・わかりやすい解説

サラサフジツボ
Balanus reticulatus

船底に付着して,汚損させるフジツボ類の中でもっともその害の著しい種類として知られている,蔓脚(まんきやく)亜綱フジツボ科の甲殻類。本種は塩分濃度の高い海に多く,世界各地に広く分布している。殻の直径10~15mmくらい。殻の上縁は歯状を呈し,とがり,それらの殻板の頂は外側にそり返っていることがある。殻の表面は滑らかで,暗紫色の幅広い縦縞があり,これらに赤褐色の横縞が交差している。船底以外に,低潮線以深にある石や貝殻の上などにも付着している。塩分濃度の低い内湾などには,近縁のタテジマフジツボB.amphitriteが生息し,いかだや船底に多く付着し,シロスジフジツボB.albicostatusは岩上および橋脚などに多く着生する。第2次世界大戦後,船底に付着して移入されたものにヨーロッパフジツボB.improvisusやアメリカフジツボB.eburneusなどがあり,全国に広まりつつある。
フジツボ
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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