サラ諸族(読み)サラしょぞく(英語表記)Sara peoples

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サラ諸族」の意味・わかりやすい解説

サラ諸族
サラしょぞく
Sara peoples

スーダン西部,スーダン南部,中央アフリカ共和国の北西部と中南部,チャド湖南部に住む諸民族の総称。グラ族,カラ族,クレイシュ族,ンドゥカ族,ンガマ族,サラ族などを含む。確かな民族学的情報は乏しい。19世紀には奴隷商人に苦しめられた。言語はスーダン諸語を話す。物質文化はスーダンの影響を受けている。鍬耕民で,タロイモヤムイモなどを栽培し,ウシヒツジヤギニワトリなどを飼う。首長は長老たちに助けられて村落共同体の自治を管理する。一夫多妻制で女性は外婚制氏族間の交換と連帯の媒介者である。少年には 2ヵ月間も続く厳格なイニシエーション儀礼が行なわれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android