アフリカ大陸のほぼ中央にあるアフリカ第4の大湖。チャド,ニジェール,ナイジェリア,カメルーンの4国の国境が接する。地形的にはチャド湖盆の最底部に形成された湖で,流入河川にはコマドゥグ・ヨベ川,シャリ川などがあるが,流出河川はない。水深は浅く,最深部でふつうは7m程度である。乾季と雨季とで流入水量の差が大きく,湖の面積は季節によって1万~2万6000km2と大きく変化する。今日ではわずかに漁業および天然炭酸ソーダの採取が行われているにすぎないが,かつてはサハラ砂漠を越えるラクダ隊商のルートの南縁にあたり,カネム・ボルヌー帝国が湖周辺で栄えるなど,中央スーダン地方の重要な地理的位置にあたっていた。また19世紀から20世紀にかけての地理的探検(チャド湖のヨーロッパ人による初見は1823年),植民地化にあたっては,中央スーダンの地理的目標となっていた。
執筆者:端 信行
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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アフリカ中部、チャド、ニジェール、ナイジェリア、カメルーンの4か国にまたがる湖。チャリ川、ロゴーヌ川などが流入し、流出河川はない。1960年代には湖面の標高約280メートル、平均水深約2メートル、面積約2万5000平方キロメートルであったが、1985年には干魃(かんばつ)のため面積が約3000平方キロメートルにまで縮小した。1万数千年前には湖水はほとんど消失し、逆に8000~9000年前には面積は約34万平方キロメートルに達し、その水はベヌエ川からギニア湾に流出していた。
[田村俊和]
ニジェール,チャド,カメルーン,ナイジェリアが接する地域にある湖。湖の面積は季節による流入水量の差で倍以上も変動する。かつては中央スーダンの交易の要衝としてカネム・ボルヌー帝国の繁栄をみたが,現在はわずかな漁業がなされる。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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