サルマナザー(その他表記)George Psalmanazar

改訂新版 世界大百科事典 「サルマナザー」の意味・わかりやすい解説

サルマナザー
George Psalmanazar
生没年:1679ころ-1763

フランス生れの文学的いかさま師。実名は不明。神学教育を受けた後,青年時代にオランダ,ドイツの軍隊に勤務し,そこで聞きかじった極東事情をもとに,台湾人と称してロンドンに登場(1703)。口から出まかせの偽造台湾語をあやつって,架空の台湾の風物動植物の博物学的記述を《台湾誌》(1704)にまとめて一躍注目を浴びた。さらに手のこんだ《日本人と台湾人との間の対話》(1707)も出版。やがていかさまが発覚して人気は凋落,晩年は宗教界に入って改心し,自伝《彼自身によるジョージ・サルマナザーの名で周知の男の回想録》(1764)を書いた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 種村

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android