普及版 字通 の解説
25画
[字訓] きり・うがつ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(ざん)。〔説文〕十四上に「きなり」と訓するが、そのように刺す器をいう。〔書、顧命〕「一人冕(べん)して劉を執る」の劉を、〔〕に「蓋(けだ)し今の斧(さんぷ)ならん」といい、それは鉞(まさかり)の類である。また奇峭の岩を巉岩という。はその刃形によって名をえたもので、掘鑿(くつさく)の器であろう。石鍼をまた石という。鏨も声義の関係のある字であろう。
[訓義]
1. きり、のみ、掘鑿を加える器。
2. するどい、うがつ。
3. 鍼、はり、いしばり。
4. 土をほるふぐし。
5. 耕すすき、すきのは。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕 語抄に云ふ、賀奈布久之(かなふぐし) 〔名義抄〕 キリ・キル・サス・サキ・ホル・カナブクシ 〔立〕 キリサク・スキノサキ・ウガツ・カナフグシ・キル・カラスキノサキ
[語系]
・dzheamは同声。は〔説文新附〕十二上に「刺すなり」とあり、鋭利なもので刺し貫く意。また鏨dzamも声義に通ずるところがあり、〔説文〕十四上に「小鑿なり」とあって、錐状のもので刺すことをいう。みな一系の語である。
[熟語]
石▶・銭▶・鼎▶・天▶・斧▶
[下接語]
策・鐫・雪・長・鉄・天・薬
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報