改訂新版 世界大百科事典 「サンホライズ加工」の意味・わかりやすい解説
サンホライズ加工 (サンホライズかこう)
sanforizing
セルロース繊維からなる布は洗濯すると収縮する。これを防ぐための,サンホライズ機(図参照)を使用する機械的防縮加工法をいい,主として綿織物に適用される。原反に蒸気を当て,エンドレスフェルト(あるいはゴムベルト)に加熱シリンダーで押しつけ,フェルト面の伸縮を利用し,あらかじめ計算した量だけ布を縦方向に押し縮めることにより,洗濯収縮率を縦,横各1%以内に抑える。アメリカのクルーエットSanford L.Cluettが発明したもので,サンホライズドSanforized(俗にサンホライズ)は,アメリカのクルーエット・ピーボディ社Cluett Peabody & Co.Inc.の登録商標で,技術導入した会社の機械防縮製品の品質保証に使われる。1934年ころ,アメリカでワイシャツ生地の加工に使われはじめた。同じころ,イギリスでは同じような機械的防縮加工としてリグメルRigmel加工が開発された。日本では戦後,技術導入され生産が始まった。特許は切れているが,防縮製品の品質を保証する商標として有用である。最近ではウォッシュ・アンド・ウェア製品やニット製品の防縮性を保証するサンホライズドプラスSanforized PlusやサンホニットSanfo Knitなどの新しい商標も導入されている。
→防縮加工
執筆者:坂本 宗仙
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報