サーベンズ=オックスリー法(読み)サーベンズ=オックスリーほう(その他表記)Sarbanes-Oxley Act

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

サーベンズ=オックスリー法
サーベンズ=オックスリーほう
Sarbanes-Oxley Act

アメリカ合衆国の企業会計制度の向上をはかる法律。エンロンやワールドコムなど著名企業が悪質な粉飾決算にからみ破綻する例が相次いだことから,ブッシュ政権が投資家の信頼回復のため,2002年7月異例の早さで成立させた。法の柱は罰則の強化。経営陣が書類改竄・破棄や粉飾決算に関与した場合は最長 20年(以前は 5年),インサイダー取引など証券詐欺は最長 25年(以前は 5年)の禁錮刑を科する。一連の事件では,不適切な会計処理を監査するはずの大手会計事務所(監査法人)までが不正に荷担していたことが判明した。そこで監査法人の独立性を確保するため,(1) 監査サービスを提供する企業がコンサルティング業務を行なうことを禁止,(2) 会計士が同一企業の監査を 5年以上担当することを禁止,(3) 監査法人の監督強化のために企業会計監視委員会 PCAOBを設置,などの規定を盛り込んだ。同法はアメリカ市場に上場する外国企業にも適用される。

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