世界の観光地名がわかる事典 「ザンクトゲオルク教会」の解説 ザンクトゲオルクきょうかい【ザンクトゲオルク教会】 ドイツ南部のバイエルン州、ディンケルスビュール(Dinkelsbühl)のマルクト広場の西側にある教会。南ドイツで最も美しい後期ゴシック様式の教会といわれている。1225年に、ロマネスク様式の教会の横に半月アーチの門がある塔(現在の西塔)がつくられた。そして、後期ゴシック様式の長堂は、ディンケルスビュールの最盛期の15世紀末、ニコラウス・エーゼラー(Nicolaus Eseler)父子によって建設が開始され、聖ゲオルクに捧げる教会として1499年に完成した。現在のディンケルスビュールの旧市街の景観は、この当時と基本的に変わっていないといわれる。さらに、16世紀には回廊付きの鐘楼(しょうろう)階や夜警の詰め所として使われていた銅製円屋根の角楼が増築された。洗礼盤と聖体所はゴシック様式、祭壇はネオゴシック様式、塔の一部はロマネスク様式である。聖ゲオルクは、大地を荒らし凶作をもたらすドラゴンを退治したといわれる、中世のドイツ農民たちの間で人気の高かった聖人である。中央祭壇付近には、1490年代に制作されたドラゴンを退治する聖ゲオルクの彫刻がある。 出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報