ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ザーヘディー」の意味・わかりやすい解説
ザーヘディー
Zāhedī, Faḍlullāh
[没]1963
イランの将軍,政治家。石油国有化運動末期の 1953年8月 16日,ムハンマド・レザー・シャーは勅令でモサッデグを解任し,ザーヘディーを首相に任命したが,逆にモサッデグの抵抗で国王は国外に避難した。8月 19日,国王の指示を受けたザーヘディーはテヘランで軍隊と警察を動かしてクーデターを起してテヘランを制圧し,首相就任を宣言した。このクーデターはイランでは「イラン暦 1332年モルダード月 28日事件」と呼ばれ,第2次世界大戦以後のイラン政治の一つの重要な転換点となった。このクーデターに続いて国王支持派と民族戦線との間に流血の衝突が繰返された。ザーヘディーは 1955年4月まで首相の地位につき,国王の権力回復を助けた。
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