シギダチョウ目(読み)しぎだちょうもく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シギダチョウ目」の意味・わかりやすい解説

シギダチョウ目
しぎだちょうもく

鳥綱の1目。この目Tinamiformesは、シギダチョウ科Tinamidae1科だけからなり、中央・南アメリカ特産の約9属46種が属する。この科の鳥はすべて地上生で、体形と外形態はキジ科のウズラホロホロチョウに似ている。しかし、両者の類似は、いくつかの型の祖先から収斂(しゅうれん)あるいは平行的に進化した結果で、類縁関係によるものではない。すなわち、口蓋(こうがい)骨はエミュー型で、その他の解剖学的特徴とともに、シギダチョウ科がキジ科よりもダチョウ目(走鳥類)と類縁があることを示している。ただし、シギダチョウ類はコジュケイ程度には飛ぶことができ、胸骨には竜骨突起がある点が走鳥類と異なる。中央・南アメリカではキジ科の鳥は比較的少数のハウズラ類だけなので、旧世界におけるウズラやシャコの生態的地位を埋めるべくシギダチョウ類が進化したといえよう。

[森岡弘之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「シギダチョウ目」の解説

シギダチョウ目

鳥綱の目。シギダチョウ科のみで構成される。現生鳥類のなかでも原始的な系統と考えられている。

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