改訂新版 世界大百科事典 「シコンチョウ」の意味・わかりやすい解説
シコンチョウ (紫紺鳥)
green indigo-bird
Vidua chalybeata
スズメ目ハタオリドリ科の鳥。全長約11cm。スズメより少し小さく,雌雄異色。雄の生殖羽は全身金属光沢のある青黒色で,赤みがかった白いくちばしと橙赤色の足が目だつ。雌と非生殖羽の雄はじみで,背面は淡褐色,暗色の小斑や縞があり,腹面は白っぽい。サハラ砂漠以南のアフリカ西部,南部の降雨林をとりまくサバンナにすみ,局地的にふつうに見られる。草原や草原状の荒地など開けたところを好み,小群で過ごしていることが多い。地上で雑草の種子や穀物などを食べる。繁殖期間は長く,雄の生殖羽は7月ころから11月ころまで見られる。見渡しのきく突出部で盛んにさえずり,また,しばしば飛びながらさえずる。雌雄は特定のつがいをつくらず,配偶型はおそらく乱婚形式である。雌はカエデチョウ科の鳥の巣に托卵する。雄のさえずりは寄主のさえずりに似ていて,それによって雌を寄主の巣へ導くといわれる。飼鳥としてまれに輸入される。
執筆者:中村 登流
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報