熱帯地方にみられる草本主体の原野。サバナともいう。アフリカ中部のいわゆるサバンナ,南米北部のリャノllano,カーチンガcaatinga,カンポcampoなどのほか,オーストラリア北・中部,インド半島,カリブ海地方などに分布し,丈の高い草原の中に孤立木が散在する長草サバンナを主体とするが,気候,土壌等の条件の差に応じてその相観はさまざまである。語源はカリブ語のzavanna(草原,平野の意)がスペイン語のsabanaとなり,トリニダード島などの旧イギリス領で英語に取り入れられてアフリカに伝わったらしい。長草サバンナの地域では,各月の月平均気温が20℃をこえ,昼夜の温度差は大きく,年雨量が900~1500mmで,強雨型の雨季とほとんど降雨のない乾季との別が明瞭である。これよりも湿潤度が増加すれば,立木密度が増して長草と低木の多いサバンナ疎林,さらにサバンナ高木林が,反対に乾燥度が高まれば,草丈が低くなってステップに近い短草サバンナが形成されるが,総じて4~10ヵ月の強い乾季をもつことが特徴で,乾季には草は枯れ,木も大部分が落葉する。植生は強耐乾性種で占められ,たとえばアフリカではイネ科の草とマメ科とくにアカシア属の木,南米ではカヤツリグサ科の草とマメ科の木が中心となる。多肉植物も多く,前者でのユーフォルビアと後者でのサボテンは形態的にも類似している。一方,雨季や夜間の大気湿度が高いことから,アナナス科,ラン科その他の着生植物も豊富である。
執筆者:佐藤 久
アメリカ合衆国ジョージア州南東部の工業都市,貿易港。人口12万8453(2005)。大西洋から約30km内陸に位置し,サバンナ川に面している。州第3の都市で,ジョージア州南東部とサウス・カロライナ州南部の経済的中心地。化学製品,ゴム,木材,紙製品,プラスチックなどを生産し,タバコ,綿花,砂糖,粘土,松やに,パルプが主要輸出品である。1733年J.E.オグルソープが仲間の120人を引き連れて建設した州最古の都市で,1782年から85年までは州都であった。ジョージア,サウス・カロライナの綿花生産が盛んであった20世紀初期まで綿花の輸出港として発展した。町は碁盤目状の道路と街路樹,点在する公園を基本とした計画都市であり,また,植民地時代の古い住宅が残っている。
執筆者:菅野 峰明
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…ロンドンに生まれ,イギリス議会議員(1722‐54)。本国の負債者救済とアメリカ南部植民地をスペインならびにインディアンの攻撃から守る目的で,32年にジョージア植民地特許状をうけ,翌年渡米してサバンナを建設。インディアンとの融和政策をとり,インディアン貿易の許可制,奴隷制の禁止のほか,ラム酒の禁止もおこなった。…
…南半球の温帯草原の代表はアルゼンチン北部を中心に広がるパンパで,現在では森林の破壊により面積が広がっており,ほぼ全域が牧場となっている。
[サバンナsavanna]
年降水量が400~1500mmの熱帯・亜熱帯地域は草原となる。赤道アフリカの熱帯多雨林地帯をはさんだ南北にはサバンナが広がる。…
…アフリカは面積3030万km2,人口7億2036万(1996),面積ではアジアに次ぐ世界第2の大陸である。赤道をはさんで同心円状に,熱帯雨林,サバンナ,砂漠,地中海気候帯と多様な自然をもっている。サハラ砂漠をはさんで,北は西アジア・地中海世界とひとつづきのハム・セム系の文化をもつ白人(コーカソイド)が支配的な白人アフリカ,南は,ピグミーやコイサン(サン,コイ・コイン)の非黒人先住民と,おそらく北西部から移住拡散した黒人(ニグロイド)の世界,すなわち黒人アフリカである。…
…相観に基づいた植生分類としてよく用いられるリューベルE.Rübelの分類では,植生は森林,草原,荒原に大別され,樹木の被度が50%に満たず,草本の被度が50%を超えるものが草原である。世界の草原面積の大半は,サバンナ,ステップなどの乾燥気候下での気候的極相である大草原が占め,そのほかに,湿潤気候下での地形的,土壌的極相である高山草原,高茎草原,湿原などや,遷移の途中相と考えられる火山草原,砂丘草原などがある。放牧,火入れ,採草などの人為が加わって維持されている半自然草原の面積も大きく,自然草原とあわせると世界の陸地面積の1/3近くを占める。…
※「サバンナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
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