知恵蔵 「シティ・フィールド」の解説
シティ・フィールド
開放型の野球専用スタジアムで、グラウンドは天然芝。収容人数は、約4万2千人と発表されている。球場規模は、ライト330フィート(約100.6 m)、右中間383フィート(約116.7 m)、センター408フィート(約124.4m)、左中間379フィート(約115.5 m)、レフト335フィート(約102.1m)。観客設備は米国障害者法に従ったバリアフリー設計がなされ、球場内外にトイレや売店、レストラン他、ファンのためのさまざまなエンターテインメント施設が充実する。
球場外観は、かつてニューヨーク州ブルックリン地区にあったエベッツ・フィールド(1960年解体)に似せてデザインされ、外壁には石灰岩や花崗岩のブロックが使われている。エベッツ・フィールドは、MLB史上初のアフリカ系アメリカ人選手、ジャッキー・ロビンソン(1962年殿堂入り)が活躍したブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)の本拠地であった。ニューヨーク・メッツとシティグループは、ニューヨークが誇るMLBの英雄として彼の功績を称え後世に語り伝えるため、シティ・フィールドのエントランスホールを「ジャッキー・ロビンソン・ロタンダ(円形広間の意)」と名付けた。彼の背番号「42」(現在はMLB全体で永久欠番となっている)をかたどった高さ2.4mの彫刻などが展示される。
シティ・フィールドのこけら落としは、2009年4月13日のサンディエゴ・パドレス戦となる。
なお、ニューヨーク・ヤンキースも09年シーズン開幕より本拠地を「新ヤンキースタジアム」に移転したので、サブウェイ・シリーズで知られるメッツとヤンキースの対戦は、ともに新球場で行われることになる。
(葛西奈津子 フリーランスライター / 2009年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報