シティ・フィールド(読み)してぃふぃーるど(その他表記)Citi Field

知恵蔵 「シティ・フィールド」の解説

シティ・フィールド

米大リーグ(MLB)ニューヨーク・メッツの新しい本拠地として、2009年4月に完成した野球場。08年シーズン終了時までの本拠地シェイ・スタジアムの老朽化に伴い、その隣地に建設された。06年11月、米金融機関大手のシティグループがニューヨーク・メッツと向こう20年間の経営的パートナーシップを結び、球場命名権を取得した。
開放型の野球専用スタジアムで、グラウンド天然芝。収容人数は、約4万2千人と発表されている。球場規模は、ライト330フィート(約100.6 m)、右中間383フィート(約116.7 m)、センター408フィート(約124.4m)、左中間379フィート(約115.5 m)、レフト335フィート(約102.1m)。観客設備は米国障害者法に従ったバリアフリー設計がなされ、球場内外にトイレや売店、レストラン他、ファンのためのさまざまなエンターテインメント施設が充実する。
球場外観は、かつてニューヨーク州ブルックリン地区にあったエベッツ・フィールド(1960年解体)に似せてデザインされ、外壁には石灰岩花崗岩のブロックが使われている。エベッツ・フィールドは、MLB史上初のアフリカ系アメリカ人選手、ジャッキー・ロビンソン(1962年殿堂入り)が活躍したブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)の本拠地であった。ニューヨーク・メッツとシティグループは、ニューヨークが誇るMLBの英雄として彼の功績を称え後世に語り伝えるため、シティ・フィールドのエントランスホールを「ジャッキー・ロビンソン・ロタンダ(円形広間の意)」と名付けた。彼の背番号「42」(現在はMLB全体で永久欠番となっている)をかたどった高さ2.4mの彫刻などが展示される。
シティ・フィールドのこけら落としは、2009年4月13日のサンディエゴ・パドレス戦となる。
なお、ニューヨーク・ヤンキースも09年シーズン開幕より本拠地を「新ヤンキースタジアム」に移転したので、サブウェイ・シリーズで知られるメッツとヤンキースの対戦は、ともに新球場で行われることになる。

(葛西奈津子 フリーランスライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉プラス 「シティ・フィールド」の解説

シティ・フィールド

《Citi Field》アメリカ、ニューヨーク州ニューヨーク・クイーンズにある野球場。MLB加盟のプロ野球チーム、ニューヨーク・メッツの本拠地。2009年にオープン、収納人数は約45000人。金融大手のシティ・グループが命名権をもつ。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android