地球自体がもっている固有の磁場。溶けた鉄を主成分とする地球の流体核内のダイナモ作用によって発生していると考えられる。地表近くでは磁場の形はかなり双極子型に近く、その部分が90%程度、残りが非双極子磁場である。対応する地心双極子の大きさは、現在約8.0×1022Am2(アンペア平方メートル)である。双極子型の磁場は地球半径の約10倍ぐらいまで続くが、それより外側では太陽から吹き付けるプラズマ流、すなわち太陽風との相互作用のため、太陽の当たる前面は圧縮され、後面は逆に引き伸ばされて吹流しのような領域に閉じ込められている。この磁場が閉じ込められた範囲を磁気圏という。惑星探査機による調査によって、磁気圏は地球だけでなく、木星や水星など磁場をもつ惑星に共通の性質であることが明らかにされた。
[河野 長]
『力武常次著『地球磁場とその逆転 70万年前磁石は南をさしていた!』(1980・サイエンス社)』
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…太陽からたえず惑星間空間に吹き出ている水素イオン(陽子)や電子など高速のプラズマ流(太陽風)により,地球磁場はある有限な領域に閉じ込められている。このいわば地球磁場の勢力範囲ともいうべき空間を地球の磁気圏という。…
…磁力探査ともいう。陸上,海上あるいは空中で地球磁場を測定し,これに基づいて地下の磁性体の分布を求め,地下の構造,岩質,資源などの様子を調べる物理探査の一方法。すなわち,測定磁気値から地球磁場を差し引いた磁気異常によって地下の磁性岩体の存在状態を知ろうとするものである。…
…地磁気(地球磁場)の観測を通して地磁気の性質や原因,地球の電磁気学的性質を研究する学問分野。なぜ磁石は北を指すかという素朴な疑問のためか研究の歴史は古いが,近代科学としての基礎を築いたのは19世紀のC.F.ガウスであり,詳細にわかってきたのはつい最近のことである。…
…地球の磁気的性質の総称で,とくに地球の磁場(地球磁場)を指すことが多い。地磁気は人間が直接感じ取れるものではないが,方位を知るのに磁気コンパスを使うなど,日常生活とは案外かかわりが深い。…
※「地球磁場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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