日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャファー」の意味・わかりやすい解説
シャファー(イギリスの劇作家)
しゃふぁー
Peter Levin Shaffer
(1926―2016)
イギリスの劇作家。日本ではシェーファーと表記される場合が多い。伝統的な家庭劇の形式による『五重奏』(1958)で劇作家として出発後、『ブラック・コメディ』(1965)など巧みな作劇術を駆使してヒット作を書き続けたが、巧みさのうちにも、社会派的視点から現代文明の病弊を告発する『エクウス』(1973)、モーツァルトの死をめぐり芸術と神の問題に迫る『アマデウス』(1979。映画1984)、歴史保存の問題をコメディタッチで描いた『レティスとラベジ』(1987)などがとくに注目される。探偵劇『探偵/スルース』の原作者である劇作家アンソニー・シャファーAnthony Shaffer(1926―2001)とは双生児の兄弟。
[大場建治 2018年11月19日]
『江守徹訳『アマデウス』(1982・劇書房)』