アマデウス(読み)あまでうす(英語表記)Amadeus

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アマデウス」の意味・わかりやすい解説

アマデウス
あまでうす
Amadeus

アメリカ映画。1984年作品。監督ミロシュ・フォアマン。ピーター・シャファー原作で話題をよんだブロードウェイの同名ドラマの映画化作品。原作ともども1980年代に起こったモーツァルト再評価のきっかけの一つになった。ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(トム・ハルスTom Hulce、1953― )の姿を、オーストリア皇帝ヨーゼフ2世に仕えた同時代の作曲家アントニオ・サリエリ(F・マーリー・エイブラハムFahrid Murray Abraham、1939― )の告白・回想を通して描く趣向で、作曲家として名を馳(は)せていたサリエリが、モーツァルトが現れたことで、人生のすべてを狂わされ、やがてモーツァルトを殺したという設定にしている。第57回アカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞など8部門を受賞。チェコスロバキアにロケし、従来のアメリカ映画を超えた美術、衣裳デザイン、メイクアップはとくに高く評価された。2002年には20分のカット場面を復元した、デジタル音声版ディレクターズ・カットも公開されている。

[出口丈人]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アマデウス」の意味・わかりやすい解説

アマデウス
Amadeus

イギリス劇作家 P.シェーファー戯曲。2幕 31場。 1979年初演。モーツァルトの才能に嫉妬した宮廷作曲家サリエリが,モーツァルトを殺害し,それを告白することで,信心深い自分ではなく野卑で自己中心的なモーツァルトを天才とした神に復讐し,後世に自分の名を残そうとする企てを扱った作品。モーツァルトの衝撃的なキャラクター設定と曲の効果的な使用により,大成功を収めた。 84年映画化。

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