探偵(読み)タンテイ

デジタル大辞泉の解説

たん‐てい【探偵】

[名](スル)
他人の行動・秘密などをひそかにさぐること。また、それを職業とする人。「一日の動きを探偵する」「私立探偵
敵の機密や内情をさぐること。また、その役目。スパイ。隠密(おんみつ)。密偵。「軍事探偵
「幕府の―が甚だ恐ろしい」〈福沢福翁自伝

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大辞林 第三版の解説

たんてい【探偵】

( 名 ) スル
他人の動静や秘密をひそかに調べること。また、犯罪者の探索にあたることや、それを業とする人。 「私立-」 「彼の行衛ゆくえを-せよと命じたり/八十日間世界一周 忠之助

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

探偵
たんてい

隠された事実を調べること、またそれをする人。職業としてそれを行い、警察関係でない者をいうことが多い。探偵の始まりは、イギリスの小説家でもあり治安判事でもあったヘンリー・フィールディングが1748年にロンドンのボウストリートにつくったものだといわれるが、これは国家組織を土台にしたものであるから、現在いう探偵とは趣(おもむき)を異にしている。民間の捜査機関としての探偵の最初は、1833年にフランスのフランソア・ビドックFranois Vidocq(1775―1857)が創設した探偵局である。彼はしたたかな犯罪人でもあったが、実はその知識と顔で社会の暗黒面の捜査にたけていただけであり、探偵を誇りある一つの職業にした真の探偵の創始者は、アメリカのアラン・ピンカートンAllan Pinkerton(1819―1894)である。アメリカの秘密諜報(ちょうほう)機関の長官だった彼は、1850年に私立探偵局をつくり、その手堅く、敏速で、大衆的な仕事ぶりにより、たちまちのうちに名声を得た。その事務所のマークに、眉(まゆ)つきの人間の目の部分を使ったことから、以後それは私立探偵の象徴となり、アメリカでは私立探偵のことをthe private eyeとよぶことも多い。
 日本では江戸時代の同心(どうしん)、岡引(おかっぴ)きが探偵方といわれたことから、明治になっても巡査、刑事が探偵とよばれていたが、明治20年代に私立探偵が現れるに及んで、しだいに警察関係は探偵とよばれなくなった。日本での私立探偵は、1895年(明治28)岩井三郎が東京・京橋に事務所を開いたのが始まりといわれる。しかし国情の違いもあって、アメリカの探偵のようなピストル携行権もなく、またホテル探偵やビル探偵のように限られた区域内での捜査権といったものもないので、その活動範囲は狭い。財政調査、信用調査、素行調査などの、興信所所員を探偵といっていることが多く、探偵小説のなかの探偵のような活動はほとんどみられない。なお明治以来、スパイのことを軍事探偵ともいっていたが、現在はあまり使われない。[梶 龍雄]
『W・ゲルタイス著、前川道介訳『名探偵は死なず』(1962・弘文堂)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

たん‐てい【探偵】

〘名〙
① (━する) ひそかに相手の事情、またはある事件の事実関係などを調べること。また、それを職業とする人。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一一「二人の悪徒を探偵(タンテイ)すれども未だ縛に就かず」
② こっそりと敵の内情をさぐりしらべる人。まわしもの。隠密(おんみつ)。スパイ。間諜。密偵。
※福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉欧羅巴各国に行く「忍び忍んで江戸に這入るとした所で、マダ幕府の探偵(タンテイ)が甚だ恐ろしい」

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