シュトロスマイエル(読み)しゅとろすまいえる(英語表記)Josip Juraj Štrosmajer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュトロスマイエル」の意味・わかりやすい解説

シュトロスマイエル
しゅとろすまいえる
Josip Juraj Štrosmajer
(1815―1905)

クロアチアのカトリック司教、政治家。クロアチアに住むドイツ人軍人の家に生まれる。学生時代からチェコの汎(はん)スラブ主義者コラールらと接触し、南スラブの統一・自治を目ざす1830年代のイリリア運動の支持者となった。1848~1849年の革命時には、神父としてウィーンに滞在し、チェコの歴史学者パラツキーと出会い、ハプスブルク帝国の連邦的再編成という彼のオーストリア・スラブ主義的な考えの影響を受けた。1861年、ハンガリーとクロアチアの平等を唱えて人民自由党を創設。1868年にハンガリーとクロアチア間に結ばれた「ナゴドバ」Nagodba(協定)に反対し、セルビアをも含めたユーゴスラビア統一主義を主張した。1867年のユーゴスラビア科学・芸術アカデミー創設、1874年のザグレブ大学創設に尽力した。

[柴 宜弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のシュトロスマイエルの言及

【ザグレブ】より

…その中心地ザグレブは,この時点ではセルビアのベオグラードより活況を呈していた。ジャコボの司教シュトロスマイエルŠtrosmajer(1815‐1905)は67年ユーゴスラビア科学芸術アカデミーをつくり,74年の大学開設を助け,84年自分の収蔵品でアカデミー付属画廊をつくった。 20世紀に入って鉄道網が整うと工業,商業も活気を呈し,第2次大戦中はナチスとファシストの傀儡〈独立クロアチア国〉の主都となったためナチスによる破壊を免れ,戦後の国内経済再建に重要な役割を演ずることになる。…

※「シュトロスマイエル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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