日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュバロフ」の意味・わかりやすい解説
シュバロフ
しゅばろふ
Пётр Андреевич Шувалов/Pyotr Andreevich Shuvalov
(1827―1889)
ロシアの政治家、外交官。古い貴族の家系に属し、1845年より軍務につく。クリミア戦争(1853~56)のセバストポリ攻防戦に参加し、さらに戦後の処理を決める56年のパリ会議にも列席した。その後、ペテルブルグ市警察長官や内務省の政治警察部門を担当、農奴所有制を擁護し自由主義的改革に反対した。66~74年に憲兵隊長官兼第三部(秘密警察)長官となりアレクサンドル2世に影響を与えたが、のち影響力を失い74年に駐英大使。78年のベルリン会議での譲歩を批判され、81年に引退。
[藤本和貴夫]