日本歴史地名大系 「シユマコタン」の解説
シユマコタン
しゆまこたん
漢字表記地名「島古丹」のもととなったアイヌ語に由来する地名。「シマコタン」(東海参譚・西蝦夷地日記)、「シユマヤコタン」(観国録)などと記され、天保郷帳ではイソヤ持場のうちとして「シユマコタン」がみえる。「東海参譚」に四軒とあり(文化三年四月一〇日条)、「西蝦夷地日記」ではノットと合せて「夷家廿七軒」とする(同四年八月二五日条)。「蝦夷日誌」(二編)では「夷人小屋有。又二八取も有るなり」という。「観国録」に「小市モアリ、繁盛驚クヘシ」とある(安政四年四月二二日条)。「廻浦日記」に「運上屋より此辺迄二八出稼屋継き也(中略)番屋一棟梁四間、桁九間、漁具小屋一棟、稲荷の社有」とあり、また「此方より賤妓のおかしく白粉紅を粧ふて、髪を乱し、寝起の顔色にて出来るもいとおかしく」「茅の小き小屋にて水主・船方・漁者共が、いとだみたる声を致しヲシマぶし等を謡ひ、三味・太鼓等彼江戸辺にて市場のチヨンカレ様に弾立酒宴致すも有」るという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報