シュリンクフレーション(読み)しゅりんくふれーしょん(その他表記)shrinkflation

デジタル大辞泉 「シュリンクフレーション」の意味・読み・例文・類語

シュリンクフレーション(shrinkflation)

《shrink(縮む)とinflation(価格上昇)からの造語食品日用品などを、価格はそのままで、内容量を減らして販売すること。
[補説]原料費・運送費増などにより原価が上昇しても、生活必需品の値上げは消費者離れを起こしやすい。そのため、内容量を減らして従来価格を維持する。見た目にはわかりにくいが、実質的には値上げとなっていることから、日本では俗にステルス値上げともいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「シュリンクフレーション」の解説

シュリンクフレーション

企業などが、食品などの価格を据え置いたまま内容量だけを減らす実質的な値上げをする現象。英語の「シュリンク」(縮む)に「インフレーション」(物価が上昇する経済現象)を合わせた造語。食品メーカーなどが、原材料費や人件費といった生産コストの上昇分の価格への転嫁を抑えるために行うケースがよく知られており、近年英国や日本で目立っている。
英国家統計局(ONS)は2017年7月、英国で過去5年間に、チョコレートポテトチップス、練り歯磨きなど2529品目で価格が据え置かれる一方、内容量が実質的に減っているという調査結果を発表した。
日本でも、14年4月、消費税が5%から8%へと引き上げられた時期に、食品メーカーなどで商品の容量を減らす動きが広がった。消費税増税分の価格への転嫁を抑え、消費者の買い控えを防ぐ措置と見られる。また、最近でも、人件費の上昇や原材料費の高騰などを背景に、価格はそのままで牛乳1パックの内容量を1000mlから900mlに減らすなど食品メーカーを中心に商品の内容量を削減する動きがある。
こうした動きはインターネット上などで話題となっており、ツイッターでは「#くいもんみんな小さくなってませんか日本」というハッシュタグを付けて、菓子やチーズ、マーガリンなど身の回りで内容量が減った商品についての投稿が盛んに行われている。

(南 文枝 ライター/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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