改訂新版 世界大百科事典 「シンアラハン」の意味・わかりやすい解説
シン・アラハン
Shin Arahan
生没年:?-1115?
ビルマ(現,ミャンマー)の僧侶。モン(タライン)族の都タトンからパガンへ来て,ビルマ統一の始祖アノーヤター王をアリーと呼ばれた僧侶らによる秘儀的な教えにより南方上座部(小乗)仏教に改宗させ,ビルマ仏教興隆の礎を築いた。王師として仏舎利と経律論の三蔵を得るため,アノーヤター王のタトン征服(1057)に端緒を与えた。彼の師はシーラブッディ,またはアディシーラカーラと伝えられ,パガンにやって来るまでの比丘名はダンマダッシーであった。1170年にチャパダ沙弥などを伴ってスリランカへ渡ったウッタラジーワ長老は,シン・アラハンの2代目の弟子に当たる。シュウェジゴン・パゴダやローカナンダ・パゴダ建設にも助言,アノーヤター王のみならず,ソール王(在位1077-84),チャンシッター王(在位1084-1112)の治世でもサンガ(僧伽)の指導者として活躍し,アラウンシットゥ王の統治下1115年ころに亡くなった,と伝えられている。
執筆者:池田 正隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報