日本大百科全書(ニッポニカ) 「パガン」の意味・わかりやすい解説
パガン
ぱがん
Pagan
ミャンマー(ビルマ)中部、イラワディ川の中流東岸にある都市遺跡。9世紀後半この地方に進出したビルマ人の中心地で、11世紀中ごろアノーヤター王が建国したパガン朝の都として繁栄した。1287年中国雲南地方から侵入した元(げん)の遠征軍に占領され、のちシャン人の攻撃をも受けて破壊された。仏教の普及に努めた歴代諸王によって1万3000に及ぶ寺、僧院、パゴダが建立されたといわれ、城壁だけが残る広大な遺跡に約2000の建造物が残っている。アーナンダ寺、タートビンニュ寺、ゴードーパリン寺、シュウェサンドー・パゴダなどの石造建築物は有名である。現在のパガンは小さな村にすぎず、北東3キロメートルのニャウンウがこの遺跡都市の玄関口として、商業・交通の中心となっている。
[酒井敏明]