スウェッテナム(英語表記)Frank Athelstane Swettenham

改訂新版 世界大百科事典 「スウェッテナム」の意味・わかりやすい解説

スウェッテナム
Frank Athelstane Swettenham
生没年:1850-1946

イギリス領マラヤの植民地行政官,マレー研究者。1870年海峡植民地行政官の資格を獲得し,翌年赴任した。72年マレー語検定試験に合格,マレー語に熟達していたことで知られた。73年ペナンおよびウェルズリー州の徴税官,74年ペナン控訴院判事兼行政官となった。同年イギリスのマラヤ支配の出発点となったパンコール協約の成立に努力し,セランゴール州理事官補になった。イギリスのマラヤ支配はイギリス人だけでなくマラヤ住民の福祉のためにも貢献するものだ,という確信を抱き,その手段として理事官制度を通じた間接支配方式をとり,マレー社会の現状を固定しようとした。自らもセランゴール州,ペラク州の理事官に就任し,95年には行政経費の節約と行政効果をあげるため,マレー連合州を成立させた(正式発足は翌年)。その後,99年マレー連合州統監,1901年海峡植民地知事兼マレー高等弁務官となった。04年に退任して帰国後は,イギリス領マラヤのためにさまざまな政治的発言を行った。またマレー社会・文化に深い興味をもち,数多くの著書論文を発表した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスウェッテナムの言及

【マレー連合州】より

…これらの4州はいずれも独立した王国であったが,イギリスは1874年以降これらの諸国に理事官を配置し,次いでスルタンおよび旧支配層を新しい行政制度に組み入れるために参事会議を各国に設置した。こののちイギリスの植民地官吏スウェッテナムの提案により,植民地行政経費の節減と行政能率の向上のために,95年連合協定がイギリスと4人のスルタンとの間で結ばれた。この連合協定により,各国はマレー連合州高等弁務官(海峡植民地知事が務めた)の任命する統監の助言によってスルタンが統治することとなり,完全なイギリス領となった。…

※「スウェッテナム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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