大学事典 「スクリップス研究所」の解説
スクリップス研究所
スクリップスけんきゅうじょ
アメリカ合衆国カリフォルニア州ラホヤ(La Jolla)およびフロリダ州ジュピター(Jupiter)に二つのキャンパスを持つ化学,生物学,生命科学分野を中心とした研究所。1924年,カリフォルニア州サンディエゴに慈善家エレン・ブラウニング・スクリップス,E.B.(Ellen Browning Scripps, E.B.)の寄付により創られたスクリップス代謝クリニック(アメリカ)(Scripps Metabolic Clinic)を起源とする。大学(university)やカレッジ(college)という名称は持たないが,分野間の壁のない学際的教育・研究を標榜し,教師・学生比1:1.7の豊かな大学院プログラム(1989年設置)を持つ。現在,有機化学,生化学,神経科学,細胞生物学,免疫学などの基礎生命科学分野で,150人を超える教授陣による多くの先端的研究を推進している。大西洋岸のフロリダキャンパス(2005年大学院プログラム開設)と太平洋岸キャンパスの間の教員団と学生の接続とコミュニケーションは,最新の放送技術と教育的手段により確保されている。学士号は出さないが,学士課程学生のための10週間研究参加プログラムを提供するなど,地域・連邦レベルでの堅固な教育・広報活動(educational outreach)を展開している。
著者: 赤羽良一
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報