連邦(読み)レンポウ(その他表記)federal state

デジタル大辞泉 「連邦」の意味・読み・例文・類語

れん‐ぽう〔‐パウ〕【連邦/×聯邦】

共和国などの複数の支分国が、単一の主権の下に結合して形成する国家。各支分国は独自の自治的存在で、その権能は連邦の憲法で規定される。アメリカスイス・ドイツなど。連合国家。→複合国家
[類語]合衆国共和国君主国帝国王国

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精選版 日本国語大辞典 「連邦」の意味・読み・例文・類語

れん‐ぽう‥パウ【連邦・聯邦】

  1. 〘 名詞 〙 自治権をもつ多数の国家が共通の政治理念のもとに結合して構成する国家。単一国に対するもの。それぞれ対内的には相互に独立関係にあり、対外的には個々の国家は外交権を持たず、結合して一つの外交権をもつのが普通。アメリカ・スイス・ドイツ・ロシアなど。連合国家。連邦国家盟邦
    1. [初出の実例]「調度其聯邦の中にヘゲモニーと申して豪傑が起りて政治を理めると」(出典:百一新論(1874)〈西周〉上)

連邦の補助注記

「連邦」は「聯邦」の書き換え。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「連邦」の意味・わかりやすい解説

連邦
れんぽう
federal state
confederation

国家結合の一種で、連邦の組成国間の結合度が緊密になり、連邦自体が国家となり国際法上の能力をもつに至ったもの。連邦の組成国(支分国)は、独自の自治的存在であり、ときに限られた範囲で連邦の憲法によって、一定の国際法上の能力を認められることもある。一般に国際人格をもつのは連邦であり、連邦の内部関係は国内法関係である。連邦の組成国がどの程度の権能をもつかは、連邦の憲法で定められる。単一国家の地方自治体に近いもの(ドイツ、オーストリア、スイスなど)から、旧ソビエト連邦の構成共和国のように、国際機構に加入し、条約締結権を認められるものもある。連邦の実例としては、1787年以後のアメリカ合衆国、1848年以後のスイス連邦、ドイツ連邦共和国、旧ソビエト連邦共和国のほか、アルゼンチンブラジルメキシコ、オーストラリア、オーストリア、カナダ、インド、ミャンマーナイジェリアアラブ首長国連邦など多くの例がある。1990年代にはベルギーエチオピアが連邦国家となっている。ベルギーは、1993年言語問題に端を発して連邦国家に、エチオピアは、社会主義体制の放棄・混合経済の導入を契機に1995年人民民主共和国から連邦民主共和国になった。

[池田文雄]

『在ナイジェリア日本国大使館編『ナイジェリア連邦共和国』(1982・日本国際問題研究所)』『加藤普章著『多元国家カナダの実験――連邦主義・先住民・憲法改正』(1990・未来社)』『矢谷通朗著『ブラジル連邦共和国憲法』(1991・アジア経済研究所)』『ピエール・エリオット・トルドー著、田中浩・加藤普章訳『連邦主義の思想と構造――トルドーとカナダの民主主義』(1991・御茶の水書房)』『中野勝郎著『アメリカ連邦体制の確立――ハミルトンと共和政』(1993・東京大学出版会)』『柴宜弘著『連邦解体の比較研究――ソ連・ユーゴ・チェコ』(1998・多賀出版)』『石塚さとし著『ベルギー・つくられた連邦国家』(2000・明石書店)』『世利洋介著『久留米大学経済叢書 現代スイス財政連邦主義』(2001・九州大学出版会)』『加藤普章著『カナダ連邦政治――多様性と統一への模索』(2002・東京大学出版会)』『宮本光雄著『国民国家と国家連邦――欧州国際統合の将来』(2002・国際書院)』

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