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連邦 れんぽうfederation

翻訳|federation

知恵蔵の解説

連邦

複数の政治単位(共和国、自治共和国、州など)が連邦憲法などによって法的・政治的に結合し、対内的には各単位が自治権と独自の統治構造を維持しながら、対外的には統一国家を形成する状態、あるいは、そのような国家形態。スイス、ベルギー、ロシア、米国、カナダ、マレーシアなどが例。連邦政府は外交、軍事、通貨などの権限を持ち、各単位は独自に憲法、議会、行政府、裁判所などを持ち、教育や福祉を管轄する場合が多いが、両者の権力分配は憲法や政治構造などによって異なる。連邦は旧ユーゴなど連邦国家の崩壊とEU(欧州連合)の統合進展から関心を集め、また多民族の共生や分権化に対応しながら統合を保つ枠組みとして、様々な形の連邦が世界共通の課題となっている。また、国家連合(confederation)とは、複数の国家が、条約によって定めた一部の国家機能を、共通機関により行使する状態、またはそのような国家結合の形態。各構成国は、国家連合に委ねた権限を除き、対外的に独立した主権国家であり、国家連合は第3国から国家として承認されない。英連邦(Commonwealth)がその例。また南北朝鮮の統一形態についても、連邦か国家連合かが論議されている。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

れん‐ぽう〔‐パウ〕【連邦/×聯邦】

共和国などの複数の支分国が、単一の主権の下に結合して形成する国家。各支分国は独自の自治的存在で、その権能は連邦の憲法で規定される。アメリカ・スイス・ドイツなど。連合国家。→複合国家

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

連邦
れんぽう
federal stateconfederation

国家結合の一種で、連邦の組成国間の結合度が緊密になり、連邦自体が国家となり国際法上の能力をもつに至ったもの。連邦の組成国(支分国)は、独自の自治的存在であり、ときに限られた範囲で連邦の憲法によって、一定の国際法上の能力を認められることもある。一般に国際人格をもつのは連邦であり、連邦の内部関係は国内法関係である。連邦の組成国がどの程度の権能をもつかは、連邦の憲法で定められる。単一国家の地方自治体に近いもの(ドイツ、オーストリア、スイスなど)から、旧ソビエト連邦の構成共和国のように、国際機構に加入し、条約締結権を認められるものもある。連邦の実例としては、1787年以後のアメリカ合衆国、1848年以後のスイス連邦、ドイツ連邦共和国、旧ソビエト連邦共和国のほか、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、オーストリア、カナダ、インド、ミャンマー、ナイジェリア、アラブ首長国連邦など多くの例がある。1990年代にはベルギーとエチオピアが連邦国家となっている。ベルギーは、1993年言語問題に端を発して連邦国家に、エチオピアは、社会主義体制の放棄・混合経済の導入を契機に1995年人民民主共和国から連邦民主共和国になった。[池田文雄]
『在ナイジェリア日本国大使館編『ナイジェリア連邦共和国』(1982・日本国際問題研究所) ▽加藤普章著『多元国家カナダの実験――連邦主義・先住民・憲法改正』(1990・未来社) ▽矢谷通朗著『ブラジル連邦共和国憲法』(1991・アジア経済研究所) ▽ピエール・エリオット・トルドー著、田中浩・加藤普章訳『連邦主義の思想と構造――トルドーとカナダの民主主義』(1991・御茶の水書房) ▽中野勝郎著『アメリカ連邦体制の確立――ハミルトンと共和政』(1993・東京大学出版会) ▽柴宜弘著『連邦解体の比較研究――ソ連・ユーゴ・チェコ』(1998・多賀出版) ▽石塚さとし著『ベルギー・つくられた連邦国家』(2000・明石書店) ▽世利洋介著『久留米大学経済叢書 現代スイス財政連邦主義』(2001・九州大学出版会) ▽加藤普章著『カナダ連邦政治――多様性と統一への模索』(2002・東京大学出版会) ▽宮本光雄著『国民国家と国家連邦――欧州国際統合の将来』(2002・国際書院)』

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