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生化学 せいかがくbiochemistry

翻訳|biochemistry

7件 の用語解説(生化学の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生化学
せいかがく
biochemistry

生物に関係する物質の構造と反応に関する化学であり,生物化学 biological chemistryと呼ばれることもあるが,現在では生化学という呼称のほうが一般的である。生物体を構成する物質や生体内に生じる化学物質およびその化学反応の過程を対象とする科学で,生物学の一分科としても成り立ち,化学,有機化学の一分科としても成立する。

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知恵蔵の解説

生化学

生体分子を対象とする化学。生体分子を取り出し、その構造と機能を調べ、それら生体分子間の相互作用の解析を通して、生命現象を説明しようとする化学の分野。生物を構成する物質は炭素化合物(有機化合物)と少数の無機元素から成るので、歴史的には有機化学に近い分野として誕生した。アミノ酸、糖、脂質、ビタミンホルモンたんぱく質、核酸など、取り扱う分子は多種多様。特に複雑な生物現象を支えるたんぱく質に関する研究は、従来のようにたんぱく質そのものを単離しなくても、遺伝子工学によりその設計図に相当する遺伝子の入手、作製、解析が可能になった。この結果、生化学は飛躍的に進展しつつある。同時に、遺伝子の働きを分子レベルで説明する分子生物学との境界があいまいになり、一体化しつつある。近年のバイオテクノロジーの発展に大きく寄与している。

(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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デジタル大辞泉の解説

せい‐かがく〔‐クワガク〕【生化学】

生物の生命現象を、化学的方法を用いて研究する学問。生体の構成物質・物質代謝などを主な研究対象とする。生物化学。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

生化学【せいかがく】

生物化学とも。生命現象を化学的な方法を用いて研究する学問分野。A.L.ラボアジエに始まり,L.パスツールらを経て,J.B.サムナーらの酵素の研究において学問分科として確立する。
→関連項目化学生物学生理学薬理学有機化学

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世界大百科事典 第2版の解説

せいかがく【生化学 biochemistry】

生物化学biological chemistryともいう。狭義には生物を化学的手法で解析し,化学物質のレベルで生物を理解しようとする研究分野である。広義には生命現象全般を分子のレベルで解明しようとするものであり,分子生物学とその方法,研究内容において重なり合うタンパク質,核酸,脂質,ビタミン,ホルモンなど,個々の生体物質の生物的機能や化学構造を決定し,さらにそれらの生合成,分解等をつかさどる代謝機構,その調節機構を研究する。

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大辞林 第三版の解説

せいかがく【生化学】

生物体の構成物質および生物体内での化学反応を解明して、生命現象を研究する学問。生体物質の構造決定、その作用機能、代謝の機構などが主な研究の対象。生物化学。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生化学
せいかがく
biochemistry

化学を基礎とし、化学的方法を用いて生物体の構成成分を決定し、生物体におけるそれらの状態や相互間の化学反応を解明し、生物体の生活現象における意義を研究する学問で、生物化学biological chemistryともいう。
 生化学の研究対象はきわめて広範囲であり、動物生化学、植物生化学、微生物生化学、人体生化学などがある。しかし、高等動植物から微生物に至るまで、その化学組成や生物体内での化学反応などには驚くほどの共通性がある。すなわち、細胞活動の主要な担い手がタンパク質および核酸であること、そのほかに炭水化物や脂質などがあること、そしてそれらの役割あるいは代謝も、基本的には共通である。こうした分野を扱うのが一般生化学である。また、生物の共通性に対する化学的理解のうえにたち、生物相互の相違を化学的に解明するのが比較生化学であり、生物の進化、遺伝、分類の理解にも貢献している。すなわち、現在ではほとんどすべての領域の生物学が、生化学を基礎として研究されるようになった。
 一般に化学的現象は、究極的には分子レベルで解明されるわけであり、生化学の研究対象も分子レベルに始まる。従来、天然物化学または生物有機化学は主として低分子有機化合物であるアルカロイド、ステロイド、テルペンなどを対象としており、これはむしろ有機化学の分野であるとされている。これに対して天然高分子化合物であるタンパク質、核酸、多糖などの構造と機能の研究は、分子レベルでの生化学である。すなわち、酵素タンパク質の構造と機能との関係をはじめ、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、タンパク質の相互作用による遺伝情報の発現と伝達機構の解明などは分子レベルにおける生化学的研究であり、これらは分子生物学ともよばれる。
 細胞レベルでの生化学は細胞化学であり、細胞全体あるいは細胞器官(核、ミトコンドリア、細胞膜、小胞体など)の組成、構造(多くの生体高分子の相互作用による高次構造)、機能、代謝の研究を行う。多細胞生物の個体としての生化学(人体生化学など)はとくに生理化学とよばれ、古典的生化学の主流であった。
 以上が狭義の生化学であるが、さらに時間や空間を広げた高次のものとして地球生化学、宇宙生化学、古生物化学などがある。また、応用生化学としては病理化学、栄養化学、発酵化学、食品化学などがあり、人類の福祉への応用は広い。とくに1960年代から目だってきた生命科学(ライフサイエンス)の分野では、分子生物学をはじめ動物行動学などを中心に、生命の基本的な問題に対して多角的に対処しており、記憶、意識など高次機能の問題や、人工臓器や遺伝子操作などを含む生物医学技術面、地球規模の環境問題などの生態系をも加えた、人間の生命と生活を直接包含するところにまで発展している。
 なお、医化学は基礎医学のうちの生理学から化学的な面を扱う一部門として分離したものであるが、その後の生化学の発達とともに広義の生化学の一部と考えられるようになった。しかし、対象である人体の特殊性からみても、一般生化学と同一視するわけにはいかない分野である。この立場は、ライフサイエンス時代に対処すべき新しい倫理学の問題につながるものといえる。[景山 眞]
『林淳三編、浅野勉ほか著『生化学実験』(1998・建帛社) ▽今堀和友・山川民夫監修、井上圭三ほか編『生化学辞典』第3版(1998・東京化学同人) ▽加藤秀夫ほか編『栄養科学シリーズNEXT 生化学』(1998・講談社) ▽平澤栄次著『はじめての生化学――生活のなぜ?を知るための基礎知識』(1998・化学同人) ▽東京大学大学院農学生命科学研究科生産・環境生物学専攻編『実験生産環境生物学』(1999・朝倉書店) ▽丸山工作著『生化学入門』(1999・裳華房) ▽池北雅彦ほか著『生物を知るための生化学』(1999・丸善) ▽D・ヴォートほか著、田宮信雄ほか訳『ヴォート基礎生化学』(2000・東京化学同人) ▽江崎信芳・藤田博美編著『生化学 基礎の基礎――知っておきたいコンセプト』(2002・化学同人) ▽吉田勉監修、伊藤順子・志田万里子編著、篠田粧子ほか著『新しい生化学・栄養実験』(2002・三共出版) ▽野口忠編著『栄養・生化学辞典』(2002・朝倉書店) ▽阿佐美章治ほか著『生理・生化学実験』第3版(2003・地人書館) ▽林典夫・広野治子著『シンプル生化学』改訂第4版(2003・南江堂) ▽吉田勉編著、藤森泰ほか著『基礎からの生化学』(2003・学文社) ▽奥恒行ほか編、石橋源次ほか著『栄養・健康化学シリーズ 生化学』(2003・南江堂) ▽W・H・エリオットほか著、清水孝雄・工藤一郎訳『エリオット生化学・分子生物学』(2003・東京化学同人) ▽林淳三監修、木元幸一ほか編著、倉沢新一ほか著『生化学――人体の構造と機能』(2003・建帛社) ▽猪飼篤著『なっとくする生化学』(2003・講談社)』

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世界大百科事典内の生化学の言及

【細胞学】より

…すべての生命現象は細胞の働きに由来するから,細胞学と関連分野との境界はときに必ずしも明りょうではない。また細胞の研究は,形態学,生理学,生化学,発生学,遺伝学ならびに進化など多くの分野の研究方法を用いて行われるものである。 生物学の研究方法は科学技術の進歩とともに精密になり,適用の範囲も拡大して上記の各研究分野の間で方法上の大きな相違がなくなるとともに,境界領域での研究もおおいに進み,現在では究極的に細胞の構造と機能に帰結されるすべての分野を総合して細胞生物学cell biologyと呼ぶようになっている。…

【生物学】より

…つまり生物学の大部分の分科はすでに確立し,あるいは確立されつつあり,それをさらに展開することが,さしあたりの発展の方向であった。生化学についていえば,酵母の無細胞抽出液による発酵は前世紀末に観察されており(E.ブフナー,1897),20世紀に入っての分析的な発展を先ぶれしていた。解糖系のエムデン=マイヤーホーフ経路(1940ころ)と,呼吸のTCA回路(H.A.クレブス,1932)との解明で,細胞内の代謝経路の骨組みが定まった。…

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