改訂新版 世界大百科事典 「ズーアンヌーン」の意味・わかりやすい解説
ズー・アンヌーン
Dhū al-Nūn
生没年:796ころ-861
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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[伝統]
ヨーロッパでは11世紀にプセロスが《コルプス・ヘルメティクム》に言及しているので,ひそかに伝えられていたことがわかるが,イスラム圏では,ヘルメス・トリスメギストスを精神的父祖としていたシバ(サバ)人で,初期のアラビア科学者として有名なサービト・ブン・クッラがシリア語で《ヘルメスの教え》を書いてみずからアラビア語に訳した。同様にヘルメスを預言者の一人として扱っていたマニ教を受け継いだイスラム教シーア派はヘルメスをイドリース(旧約聖書のエノク)と同一視し,ズー・アンヌーンによってイスラム神秘主義(スーフィズム)にも影響を与えた。イスラム圏でヘルメス思想の影響を受けた著名な科学者や思想家としてはキンディー,ジャービル・ブン・ハイヤーン,イブン・アルハイサム,スフラワルディーらがいる。…
※「ズーアンヌーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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