認識(読み)ニンシキ

デジタル大辞泉 「認識」の意味・読み・例文・類語

にん‐しき【認識】

[名](スル)
ある物事を知り、その本質意義などを理解すること。また、そういう心の働き。「認識が甘い」「認識を新たにする」「認識を深める」「対象認識する」
cognition哲学で、意欲情緒とともに意識の基本的なはたらきの一で、事物事柄の何であるかを知ること。また、知られた内容
[類語](1理解知得把握把捉はそく領略識別鑑別鑑識鑑定弁別判別峻別選別種別差別見分ける自覚認知承知了知意識知識物分かり聞き分けわきまえ分別ふんべつ分かり飲み込み存知聞知合点了解納得早分かり早飲み込み早合点話せる(―する)知るとらえるつかむ悟るわきまえる解する取る受け取る分かる学ぶ

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精選版 日本国語大辞典 「認識」の意味・読み・例文・類語

にん‐しき【認識】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 認め知ること。物事をはっきり知り、その意義を正しく理解・弁別すること。
    1. [初出の実例]「其最小なる者は顕微鏡の映射を藉るに非れば認識す可からず」(出典:博物学階梯(1877)〈中川重麗訳〉)
  3. ( [英語] cognition の訳語 ) 心理学で、知覚・記憶・想像・構想判断推理を含んだ広義の知的作用。〔教育・心理・論理術語詳解(1885)〕
  4. ( [ドイツ語] Erkenntnis の訳語 ) 哲学で、一般にわれわれが物事について持っていて、それが真であることを要求できるような概念、またはそれを得る過程

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「認識」の意味・わかりやすい解説

認識
にんしき
cognition; Erkenntnis

知ること,あるいは知られた事柄。後者の意味では knowledgeの語も多く用いられる。概念推理判断を主要3契機として遂行され,推理と判断において認識全体が積極的に関与する。推理の過程のない認識を直観的認識という。さらに判断の契機が消えるか極小になると知覚になり,認識と区別される。しかし知覚により近い自然科学的認識の場合,判断は客観的であり,その認識は一般性をもっている。そこでの認識の働きは本質的に重要でなく,結果のみが価値をもっている。このような認識内容は知識と呼ばれることが多い。一方形而上学的,宗教的認識などでは認識主体の役割が大きく,この場合認識の働きそのものが認識内容と等しい重要性をもっている。

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普及版 字通 「認識」の読み・字形・画数・意味

【認識】にんしき

旧所有物の権利を主張する。また、知る。

字通「認」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の認識の言及

【言語】より

… また言語が,思考を支える手段という機能を有することは次のように説明される。人間は,その集団的な認識活動の結果を言語のあり方・構造に反映させてきた。したがって,言語は人間の認識やその発展である思考を支え,補助できる力を本来的に有しているのである。…

【認知】より

…生体のもつ情報収集,情報処理活動の総称。cognitionは一般には認識と訳され,知識の獲得過程や知識それ自体を意味するが,心理学や生理学では,上記のような意味で,認知と訳されることが多い。認知は感覚,知覚,記憶など,生体が生得的または経験的に獲得した既存の情報にもとづいて,外界からの情報を選択的にとり入れ,それを処理して新しい情報を生体内に蓄積し,さらにはこれを利用して外界に適切な働きかけを行うための情報処理の過程をいう。…

※「認識」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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