日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼリー剤」の意味・わかりやすい解説
ゼリー剤
ぜりーざい
jellies
ゼリーとはコロイド液が液体を含んだまま、流動性を失って弾性をもつ塊となった状態をいい、ゼリー状の製剤をゼリー剤という。主として外用で、粘膜に適用されるものであるが、滑剤として、また医薬品を配合して皮膚疾患にも使用されている。一般的に用いられているゼリー剤の基剤には粘漿(ねんしょう)剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウムなど)、ゴム(アラビアゴム、トラガントゴム)のほか懸濁剤が用いられ、可洗性のものが多い。透明なものが多いが、乳白色の不透明なものもある。カルボキシメチルセルロースナトリウムゼリー、メチルセルロースゼリー、ビーガムゼリー、クレイステーゼリー、ケルギンゼリー、カーボポール934ゼリー、液状ワセリンゼリーなどが基剤として有名である。
[幸保文治]