ゼロ次元(読み)ゼロじげん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼロ次元」の意味・わかりやすい解説

ゼロ次元
ゼロじげん

人間の行為を,ゼロ時間としての無為へと導くハプニングを行ない続けた反芸術的集団。以前からあった前衛絵画のグループの名前を引き継いで加藤好弘が主宰し,岩田信市,小岩高義らと結成。特に裸体になることに執着し続け,性的な喧噪状態を作って社会の偽善的な日常と進歩観念を暴こうとした。 1962年 11月,「集団混合図式-踊る男の0時間」,63年1月1日,名古屋栄町で,20人が四つんばいになって,歩いて 10分のところを2時間かけてデモ行進をするという「ナンセンス儀式」を執行。ほかに「女体試食会」の儀式や「狂気見本市」など全国で 250回を超す儀式を行なった。 69~70年には全国のハプニング集団とともに,進歩の象徴としての万博の反対運動を展開した。各地でこの 10年間に行ない続けたハプニングは,映画『いなばの白うさぎ』の製作によって 70年に集大成されており,また彼らの姿は D.リッチの撮影した『シベール』にも記録されている。

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