裸体(読み)ラタイ

デジタル大辞泉 「裸体」の意味・読み・例文・類語

ら‐たい【裸体】

衣服をまとっていないはだかのからだ。裸身
[類語]裸身真っ裸素っ裸丸裸赤裸全裸半裸ヌード

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精選版 日本国語大辞典 「裸体」の意味・読み・例文・類語

ら‐たい【裸体・倮体】

  1. 〘 名詞 〙 衣類などを身体につけていないこと。また、そのからだ。はだかのからだ。
    1. [初出の実例]「同夜鎮季安亦逢夜盗。為裸体之由告之、乃以古布衣一領、木棉古帷一之」(出典蔭凉軒日録‐文明一九年(1487)五月二二日)
    2. [その他の文献]〔呉志‐薛綜伝〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「裸体」の意味・わかりやすい解説

裸体
らたい

裸の身体のこと。現在でもニューギニア島などに全裸で暮らす人々がいるが、彼らには裸体の意識がない。ヌーディスト・クラブの人々がヌード生活をしているときも、同様である。そもそも「裸体」の観念は、人間が着衣するようになってからおこったもので、着衣生活を前提とする文化にあって、着衣していない状態を示すものといえよう。こうした文化では着衣を社会規範としているので、自分の裸を見せることはもちろん他人の裸体を見ることも羞恥(しゅうち)の対象、道徳的問題となる。また、セックスをするときは全裸も許容されるので、セックスと裸体が短絡されて意識されやすい。現代文明は、着衣生活を社会規範としているので、裸体は恥ずかしいものとされているが、こうした規範に反抗しようとする動きが、アメリカの若者などにある。

 文明社会では古代ギリシアが裸体の美を評価した。着衣による外装の美を追ったヨーロッパでも、ルネサンス以来、芸術作品に限り、全裸の人体美を対象に取り上げた。すなわち、裸体の曲線、筋肉、四肢をはじめとする人体各部のバランス、明暗色彩などの変化で、裸体美を本格的に追求してきた。ただし、男性像も扱う彫刻は別として、絵画では対象となるのが圧倒的に女性像が多いことは、一つの問題であろう。日本画ではモデル裸婦でも、ポイントが、脱ぎかけた、あるいは脱いだ瞬間の緊迫にあるという日本的特徴がある。

[深作光貞]

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普及版 字通 「裸体」の読み・字形・画数・意味

【裸体】らたい

まるはだか。〔独異録、上〕王敦、馬(ふば)(王女の婿)と爲る。廁(かはや)に如(ゆ)くに、衣裸體にして廁に登り、羞愧(しうき)の色無し。一侍女り、曰く、此の人必ず能くを作(な)さんと。其の後、果して亂を爲せり。

字通「裸」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の裸体の言及

【裸】より

…D.モリスは,人は他の霊長類や哺乳類のような毛皮がない〈裸のサルnaked ape〉であるというが,毛皮の代りに衣服をまとって寒を避け,危険を防ぎ,身を飾る。太古の人類には衣服がなかったが,現在もアフリカ,アジア熱帯地方には裸体で生活する民族がいる。ギリシア語ギュムノスgymnosは〈裸の〉という形容詞で,英語のgymnosperm(裸子植物)などに今も残っている。…

※「裸体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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