ソリッド抵抗器(読み)そりっどていこうき(その他表記)solid resistor

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソリッド抵抗器」の意味・わかりやすい解説

ソリッド抵抗器
そりっどていこうき
solid resistor

抵抗体として炭素粉末シリカなどの無機質の粉末とフェノール樹脂などを混合成型したものを用い、これにリード線を埋め込み、抵抗体表面をレジンなどで絶縁した抵抗器。体抵抗器またはコンポジション抵抗器ともよぶ。負荷電力が大きくとれるので、小型で大容量のものがつくれること、幅広い抵抗値(数オーム~数メガオーム)が得られること、断線の心配がないこと、高温高圧で使用できること、インダクタンスがないため高周波特性がよいこと、製造工程が量産に適していることなどの特徴をもつが、抵抗値の精度、抵抗温度係数および雑音の点で炭素被膜抵抗器に及ばない。

[坂田好一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のソリッド抵抗器の言及

【電気抵抗器】より


[電子回路用抵抗器]
 電子回路の抵抗素子のうち集積回路に置き換えられるものも多いが,しかし抵抗器は相変わらず電子回路を構成する主要かつ基本的な部品であることに変りはない。種類としては細い合金抵抗線をボビンに巻きつけた巻線抵抗器,金属や炭素の薄膜を円筒形や平面状の絶縁基体上に形成して抵抗体とした金属薄膜抵抗器や炭素皮膜抵抗器,炭素粉末などの抵抗材料にフェノール樹脂,ガラスなどの粉末を混合して鉛筆の芯のように加圧成形したソリッド抵抗器が主要なものである。集積回路の発達により電子回路の実装密度の向上と消費電力の低減は著しく,これに対応して抵抗器も小型化の傾向をたどっている。…

※「ソリッド抵抗器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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