日本大百科全書(ニッポニカ) 「タラウェラ火山」の意味・わかりやすい解説
タラウェラ火山
たらうぇらかざん
Mount Tarawera
ニュージーランド北島中部にある火山。楯(たて)状火山上に数個の流紋岩質溶岩円頂丘が群集している。標高1111メートル。1886年、長さ14キロメートル余の割れ目からマグマ水蒸気が爆発、玄武岩質マグマを噴出した。火山砕屑(さいせつ)物総量1.5立方キロメートル、死者約100人。この噴火で約8000平方キロメートルの土地が埋めつくされ、1848年に宣教団体により開かれたテワイロア村は火山灰に埋まった。ニュージーランド版のポンペイともいわれている。世界の七大景勝地といわれていた「ピンクのテラス」と「白のテラス」も消滅した。また、ロトマハナ湖は、この噴火により誕生した。西麓(せいろく)のタラウェラ湖付近には温泉や噴気孔が多い。
[諏訪 彰]