たゐにの歌(読み)たいにのうた

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「たゐにの歌」の意味・わかりやすい解説

たゐにの歌
たいにのうた

あめつち」に続いて用いられたかなの網羅表。現存唯一の資料は『口遊 (くちずさみ) 』 (天禄1〈970〉,弘長2〈1262〉写本) に万葉がなで「大為尓伊天奈徒武和礼遠曾支美女須土安佐利□比由久也末之呂乃宇知恵倍留古良毛波保世与衣不祢加計奴」とある。□に「於」があったとして,「田居に出で 菜摘む我をぞ 君召すと 求食 (あさ) り[追]ひゆく 山城の うち酔へる子ら 藻葉干せよ え舟繋 (か) けぬ」の意味と推定されている。これで計 47文字とするのが通説であったが,最近,もとは最後に「江」があり,五七調4句の 48文字であって,「あめつち」を組替えて意味がすべて通るようにしたもの,という説が出されている。

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